第4回世界合唱シンポジウム参加記

高田憲一(テノール・シドニー実行委員)


第4回世界合唱シンポジウム&フェスティバルの報告(マネージャー版)

  8月6日(火)から16日までの11日間、オーストラリアのシドニー市で開かれた
「第4回世界合唱シンポジウム&フェスティバル」に参加してまいりました。
この催しは3年に一度、世界中のコーラスに関わる指揮者・作曲家・指導者・合唱団が
一同に会し、講演・ワークショップ・演奏等を行い、交流を深める「コーラスのオリン
ピック」とも言えるものです。

8/6(火) 成田空港第二ターミナルに午前9:00に集合。出国ラッシュがそろそろ始まっている のか、結構な混雑。OMPのメンバー以外にもシンポジウムに参加する合唱関係者が目 に付きました。みんな同じ飛行機・ホテルとか。 飛行機はほぼ満員状態。OMPの連中も最初は緊張していたためか自分の席でおとなし くしていたのですが、5時間位たってからは席を立って歩き回り、ビールを貰ってきて は宴会状態。最後は普通のビールが無くなって、ライトビールしか出て来ませんでした 。 シドニーの「キングフォード・スミス空港」に定刻に到着。個人の荷物の通関は全く 問題無くいったのですが、問題は演出付きステージ「宇宙について」の舞台道具の通関 。 スライドスクリーン用の竹枠の入った全長2m70cmの木箱、石が30個程入ったプ ラ箱3個、舞台面に貼るスクリーン、背景に吊るスクリーン等々がありまして、どうみ ても観光客が持ち込む荷物には見えません。 私は先に外に出て待っていたのですが、時間が随分掛かって「ひっとして税関か検疫に ひっかかったか?」との不安も・・・。 しかし、遅れること10分程で無事団員の待ち受けるロビーに到着。事前にカンタス 航空と色々と打ち合わせていたのが良かったようで特に調べられることもなかった様子 でした。 出迎えのバスでホテルへ。ホテルの部屋はランクが色々とあるようで、私の部屋は海と オペラハウスが望める東側19階のとても良い部屋。他の連中はビルしかみえない部屋 が随分多かったようで、羨ましがられましたね。 一息ついたところで、当然のように空腹と喉の渇きを癒すために夜の街へ、出撃。 ところが、ホテルのある「サーキュラー・キー」周辺は店が全く開いていません。観光 地として有名な「ロックス」に行ってみても、全く開いている店がありません。聴くと ころによるとこの辺は皆10時頃までとか。仕方が無く「今後の偵察の為」と称して添 乗員氏とマネージャー組で「中華街」へ。でここで見つけたのが「ゴールデン・センチ ュリー」という海鮮中華料理の店。水槽には巨大な伊勢海老・タラバ蟹・鮑・マッドク ラブ等々が一杯でした。で、早速到着を祝って、ビールで乾杯。色々と食べたのですが 最後に注文した「マッドクラブのチリソース」と「イカのニンニク炒め(ほとんどニン ニクまみれ)」が美味しかったですね。但し翌朝、自分の匂いで気持ちが悪かったです が・・・。
8/7(水) シンポジウム開幕の日。 この日は練習の予定も無く、団員はフリーで観光の予定。しかし、マネージャーグルー プはシンポジウムへの「登録」とチケット受け取り、打ち合せのために本部のある「ウ ェント・ワース・ホテル」に。ここには世界各国からの合唱関係者が一同に会している 為、指揮者の松原千振先生など、知り合いが一杯であちこちで挨拶されていました。 ここでまず最初のハプニング発生。実行委員長の「清水哲夫(哲ちゃん)」がカウン ターで話をしていて夢中になったのか、鞄を置き忘れる事件が発生。本人は直ぐ気づい たのですが、その時には既に置いた場所に無い・・・。OMPの書類から本人のパスポ ートまで入っている鞄で、本人・栗山氏他、一同顔面蒼白・・・。まさかこんな所で・・ ・。 で、探し廻ったところカウンターの中に見覚えのある鞄が・・・。本人がカウンター から動いた直後に次に並んでいた人が「忘れ物」として預けてくれていたというもので した。 初っ端から「嵐の予感」。 それから、次にシンポジウム事務局に行き、書類・プログラム・チケット等を受け 取ったのですが、プログラムは箱に入っているのを「自分で数えて持っていけ」状態・ ・・。日本のコンクール等での「準備万端」状態とは全然ちがいました。それから、作 業を分担して私と「杉野久実(おおしまった)」でチケットの確認をすることに。で、 これをやりはじめると「演奏会のチケットが全く違う!!!」。 購入を希望していた演奏会のチケットがまったく無くて、全然希望していない演奏会 のものばかり、しかも枚数もとても少ない。色々と調べてみると韓国の合唱団のものら しいスケジュール表が入っています。どうやらこの合唱団と入れ違えたらしいのです。 慌てて、実行委員長の清水氏に報告し、彼が事務局と交渉に向かいましたが。埒があか ず、そうとう時間が掛かりそうな様子。仕方が無く、一旦別れて買っていなかった今日 の「オープニングコンサート」のチケットを買いにオペラハウスに向かいました。 初めて間近に見るオペラハウスは本当に巨大な建造物でした。シドニー湾に突き出し た岬にそびえる「巨大な貝殻」という感じでした。オペラハウスの周りはやはり観光客 で一杯、雲一つなく抜けるような青空と白く輝く屋根をバックに記念写真を皆撮ってい ました。その中には日本の女子高校性らしい制服集団が居て関西弁でおしゃべりしたり もしていました。やはりシドニーを代表する大観光スポットです。 ホテルに戻り、団員にチケットを配ってから夕食に。夕食は早くも和食の店「魚や」 に行ってしまいました。この店は私が会社の近くでいつも昼食をとっている店のシドニ ー支店。刺身・焼魚・寿司・味噌汁等々がとても美味しく、安かったですね。 オープニングコンサートを聴くためにオペラハウスへ。定員2400人近いホール がさすがに満席。アボリジニーのダンスと歌でオープニング。それから民謡から委嘱作 品、トンガ系のコーラスまで幅広いオーストラリアの合唱が楽しめましたが、演奏会が 終ったのが10:30過ぎという時間。ちょっと辛かったですね。 でも、一旦、ホテルに帰り、今日到着した連中と昨日開拓した中華料理店へ・・・。
8/8(木) 練習の初日。 会場はシドニーの中心からやや離れた「St.Scholastica's College LTD.(SSCL)」とい う教会の集会室。住宅地にひっそりとある落ち着いた雰囲気の教会でした。 しかし、この初練習が波乱のはじまり・・・。環境の違いと疲れ(出発前からの蓄積が 大きい)声が出ないし、音程も最悪。指揮者の栗山氏が怒りが炸裂・・・。この日は午 後からフィンランドのタピオラ合唱団ともう一つの演奏会を聴く予定になっていたのを 練習を急遽2時まで延長。それでも怒りは治まらず・・・。結局午後は演奏会を聴けず 仕舞いでした。 ホテルに一旦帰り、5時からの「デンマーク放送合唱団」の演奏会へ。会場はシティ の「セント・ジェームス教会」。会場は教会としてはかなり大きい方だと思いましたが 、さすが人気・実力とも高い合唱団のため開場直後からほぼ満員状態。私は幸いにして 一番後ろの方に座れたのですが、その後に来たOMPの連中は入場させて貰えませんで した。私たちは「One Day Registration」という形式でこの日の全ての企画に参加でき る筈だったのですが、満員だったために別に販売されていたこの演奏会のチケットを持 っている人が優先された為のようです。演奏はさすがの声の良さとハーモニーの見事さ を堪能しました。只、委嘱初演の作品についてはなにかピンと来なかったですね。それ と最悪だったのが終演間近になって突如鳴り出した「非常ベル」。会場の後ろの方の事 務所内で鳴り捲っていて、これに怒った観客が曲の途中で席をだいぶ立ちました。この 非常ベル、演奏会が終ってもずっと鳴り続けていましたが、主催者からは何の言葉も無 し・・・。この辺もオージーらしい大らかさかも…。 それからこの日は外に出てみると、北風(南風かな)吹きまくって凄い寒さ。冬だと いうことを実感しました。 夕食後、オペラハウスでの演奏会へ。この日の最初のステージはニュージーランドの 「TE WAKA HUIA」という団体。最初は普通に並んでいる合唱団の前に民族衣装で登場。 見事なパフォーマンスを見せてくれました。ラグビーで有名なニュージーランドナショ ナルチーム「オール・ブラックス」が試合前にやる「マオリ族」の踊りの本物。とても 見事でした。それと女性達が紐とボールを使った優雅で楽しい踊りと歌もとても楽しめ ました。それに引き続いて「NEW ZEALAND NATIONAL YOUTH CHOIR」の演奏。最初、私は プログラムを買い損ねていたので「このニュージーランドの団体は大幅に時間オーバー して」なんて思っていたのですが、実は別団体でした。 それからこの日で印象に残ったのがフィリピンの「UNIVERSITY OF PHILIPPINES MADRIGAL SINGERS」。20人程で指揮者を一番下手側に、椅子を一列に丸く置き、座っ て歌うというステージ。最初の曲は歌と「手話」を同時に行うというもので、とても見 事でした。 それと、この合唱団、絶対に声を押さない歌い方で歌いきりました。何しろ「絶妙のピ アニッシモ」とはこの事、と言うほどの見事な弱音でした。ハーモニーも素晴らしいか ったですね。只、最後は飽きてしまいましたが・・・。 ホテルに戻り、またまた夜の街へ。この日は日本人が経営する居酒屋「祇園」へ。日 本に良くあるタイプの居酒屋と寿司屋が一緒になった店。午前0時を過ぎると寿司が半 額とかで、日本人の間では割と有名な店のようです。味は普通・・・。
8/9(金) いよいよ、最初の出演の日。まず皆川達夫先生のワークショップ「Western Music in Japan」。ホテルのバンケットルームで発声練習をして会場のウェントワース・ホテル へ。しかし、この会場として用意された部屋がとても狭いのです。縦長の部屋で前にグ ランドピアノと60人の合唱団が4列に並んでギュウギュウ詰め状態でした。「蛍の光 」から始まり、「荒城の月」「鴉」「秋のピエロ」「木遣り歌」「イザヤの預言」「水 ヲ下サイ」「翼」という順番で時代を追っての曲の紹介でした。 最初は音量を気にして歌っていたのですが、部屋の狭さの為か、コントロールが効かず 最後は大音量になってしまいました。観客の皆さん御免なさい。うるさかったでしょう ・・・。 昼からは「アウトドア・コンサート」というこものがあり「Martin Place」という所 へ。ここはシドニー のビジネスの中心街で歩行者専用の広い道路の真ん中に浅い楕円 形に会場が掘られている古代のローマ劇場のミニチュア版というところでした。丁度昼 時ということでテイクアウトのランチを片手のビジネスマンが一杯でした。曲は「私が 歌う理由」「小さな空」「Shearer's Song」「The Road to Gundagai」「ふるさと」 「阿波踊り」。やはり2つのオーストラリア民謡と踊り付きの阿波踊りが一番受けまし たね。 午後はまた、SSCLでの練習。まだ団員の調子が戻らず、昨晩の演奏と比較され栗 山氏の叱責が・・・。 夜はオペラハウスでのコンサートへ。この日の演目は「ベルリオーズ・レクイエム 」。満員の観客と満員のオケとコーラス・・・。コーラスは各パート100名をはるか に超える大人数。その上、客席の両サイドに陣取るトランペット・・・。凄い大音響で した。曲も演奏もただそれだけの印象でした。 この日の夜はまたまたハプニングがひとつ。 この日の昼間にOMPの若い娘が日本人向けの放送局の「街頭インタビュー」を受けた そうで、「夜に生放送があるので演奏会の宣伝をしに来ないか」という誘いを受けまし た。で、放送周波数とかを詳しい話を聴くように指示したのですが、彼女達が電話をす ると、電話が通じない・・・。やっと通じて周波数を聞くと「一般には放送していない 」とか。これはちょっと怪しい・・・。と言うわけで実行委員長の清水氏と私とお目付 役のお姉様とボディガード役の若い男2名を連れて放送局のあるビルに乗り込みました 。多少身構えて聞いてみると社長兼ディレクター氏とDJ他数名の日本人向けのコミュ ニティー放送局ということ。放送はFM放送の副音声を使った放送で特殊な受信機が必 要なものとか。メインの聴取者は日本人の家庭と日本人の経営する店で日本の有線放送 みたいなもののようでした。放送には若い娘2人とお目付役のお姉様が出演。20分位 色々と話をし、当日のアウトドアコンサートで演奏したの「ふるさと」のテープを流し てもらいました。(演奏会の宣伝効果の程は疑問ですが・・・)
8/10(土) この日は朝から一日練習の予定。会場は3日連続でSSCLへ。栗山氏の叱責はます ます苛烈に・・・。本人も食事も取れないほどの精神状態・・・。 午後から「宇宙について」の演出グループが合流。演出の確認・衣装合わせを行い、 多少雰囲気が和んだ状態で練習終了。 この日はオペラハウスでのコンサートを聴く予定にしていなかったため、割とまとま って食事に。私たちが行ったのは「大和ステーキハウス」という日本人向けの店。鉄板 の前に客が座り、料理人が豪快に肉を切り分けつつ焼くというもの。味はまあ美味しか ったのですが、バターを大量に使うので全てバターの味が強調され過ぎでした。(別の グループは伊勢海老とか鮑を豪快に頼んでA$100以上掛かったとか )
8/11(日) 午前中は「宇宙について」の仕込み。舞台担当の団員以外は自由時間。 会場の「Conservatorium of Music」はオペラハウスと同じ岬の根元にあり、州知事官 邸と植物園に囲まれた素晴らしい環境にありました。建物は旧オーストラリア総督の「 馬小屋」としてスコットランドの城を模して造られた壮麗なものでした。 中のホールは「宇宙について」を演奏するに相応しいクラシカルな造り・・・。照明の 仕込みをしつつ、「場当たり」と演出の変更と確認を午後一杯掛け、丁寧に行いました 。この当たりから団員の調子と栗山氏の機嫌も回復基調・・・。 夕食は2日目に行った「魚や」へ。この日は「キンメ鯛」の煮付けが最高。30セン チ以上のキンメ鯛が絶妙に煮付けられていて、たたったのA$15(1350円位)。 この日のオペラハウスでのコンサートは「MOSES HOGAN CHORALE(USA)」と 「 KAMMERCHOR STUTTGART(GERMANY)」の2団体。 「MOSES HOGAN CHORALE(USA)」はニューオルリンズの黒人霊歌(今はこういう呼び方は しないらしい)を歌う団体でしたが、とても「奇麗」な歌い方でした。今はこういうの が主流なのかな ぁ・・・。 「KAMMERCHOR STUTTGART(GERMANY)」の演奏は見事の一言。OMPの若者の言葉を借り ると「CDと同じ」。声も素晴らしいし音程・ハーモニーも完璧でした。合唱の最高峰 であることは間違いないですね。只、この団体も委嘱作品が退屈だったなぁ。
8/12(月) いよいよ「宇宙について」の本番当日。午前中は学校の授業の為ホールを使用出来ず 、午後より開始。通し稽古を一回行い、「駄目出し」をして、いよいよ本番突入。 客の入りが心配されたのですが、出足は鈍かったものの開演時には1階席はほぼ満員、 2階席はホールの構造上行きにくく、数える程の入り・・・。しかし、今回は東京での 定期演奏会での「2階席から見えなかった」という不評に答え、「おらしゃ」と「諸民 族」を2階に派遣。2階席の観客にも疎外感を与えずに済んだかと思います(観客より も歌い手の方が多かったみたい)。 さて、観客の反応ですがやはり最初は「何事か」という感じでした。3群に分かれて の第一章の入りでは歌の方向に身体を向けて聴いていました。また、二階席からは身を 乗り出して見てくれていました。只、叫び、走り廻る場所では耳をふさいでいる人も多 数・・・。 「おらしゃ」の部分では前回と同様客席に乱入。今回は人見より客席も少なく、空間 も小さかった為より、観客との関係がより緊密で面白かったですね。いゃー、弾けさせ てもらいました。 終演後、撤収を男声全員で行ったあと、事務局手配の食事をした女声陣と合流して打 ち上げに中華街へ。本当は目一杯盛り上がりたいところですが、翌日の三善先生のワー クショップとオペラハウスでの演奏会の為に皆、割と自粛モードでしたね。 で、この打ち上げになんとシドニーに着いたばかりの三善先生をお連れするという暴挙 の指令が栗山氏より下り、お連れすることに・・・。お疲れのところを無理に来て頂き ました。それで、一同 起立してご挨拶をしていたところ、この中華料理店のマネージャーは「なんだか知らな いけどとても有名な人が来たらしい」と店員総出で歓迎したり、ポラロイド写真を撮っ たりと大騒ぎでの歓迎ぶりでした。
8/13(火) シンポジウムのOMPの最終日。 朝8:30よりANAホテルのバンケットルームで発声練習。 10:45より三善先生とOMPによるワークショップ。会場はTown Hallの隣の「 Chapter House」という教会でした。中々荘厳な雰囲気の建物でした。 作曲家の立場から日本の合唱音楽の創造の現状を述べるとして、谷川俊太郎氏/宗左 近氏ら詩人との協同創作、民謡の編曲、伝承歌唱を基にした作曲、西洋音楽を受け入れ て作曲された唱歌を紹介しました。曲は「私が歌う理由」「縄文連祷(後半)」「阿波踊 り」「カムイの風(前半)」「夕焼小焼」というもので、夕焼小焼は会場に聴きにきてい た多治見少年少女の子を交えて歌いました。これがとても感動的でした。最後はアンコ ールに応えて「地球へのピクニック」を歌い、お開きとなりました。 只、質疑応答は前日のOMPの「宇宙について」を観てくれていた人が多かった為か シアターピースやOMPの練習方法・日程について、というちょっと的外れな物となっ てしまいました。それとこのワークショップの通訳のボランティアの通訳が練習会場と して使わせて貰った、SSCLのシスターで20年以上も前に日本に居た方で、現在は ほとんど日本語を話す機会の無い方だった為、正しく意味が伝わらなかったようで残念 でした。それにしてもこのシスター、通訳に自分の意見が多くて皆困っていました。 午後はまたまたSSCLでの練習。三善先生はここにも同席してくださり、カムイの 風のレッスンをしていただけました。その上、武満のうたのレッスンまで。 三善先生は12日の夜10時過ぎに来られて、13日の夜の便でお帰りになるという超ハー ドなスケジュールで夜のオペラハウスでの演奏会は聴いていただけませんでしたが、 「飛行機の中から成功を祈っています」というお言葉を頂きました。 オペラハウスでの出演は4団体の最後。前の団体がかなり時間を超過した為かなり遅れ ての出番となりました。その為か観客の入りは7割程度でしたか…。自分たちとしては この演奏はこれまでに無い位、とても楽しんで演奏することが出来ました。本当に素晴 らしい響きを十二分に楽しんで歌うことができました。本当に素晴らしいのホールでし た。 演奏終了後、オペラハウス内の北側のロビーで打ち上げを行いました。当初は一緒に 出演した団体も誘って合同でパーティーをするつもりだったのですが、連絡がうまく行 かずOMPと栗友会の面々での打ち上げとなりました。もうこれが大騒ぎ・・・。 「ここは岩井の合宿か?」状態。「ドラゴンボール」は出るは「青い山脈」は出るは「 TOTO便器」は出るは、で大狂乱状態・・・。最後には団内指揮者が足腰立たない状 態まで泥酔。なにを言っても英語で答えが・・・。(さすがですけどね) ところで、このオペラハウスの料理が中々。中でも「握り寿司」が出たのには驚きま した(醤油がボウルになみなみと注がれて出てきたのにも驚きましたが)。他にも「ラ ムチョップ」「クラブミートフライ」は美味しかったですね。 結局、オペラハウスでは1時過ぎまで大騒ぎしていました。顰蹙でした・・・。 (追加料金を払えば1時までOKといったのは先方なんですが…)
8/14(水) この日はやっと全てから開放されての観光と買い物・・・。 実行委員長の清水氏と私は他のメンバーを誘って「シドニー湾のクルージング」に。こ の日は物凄く良い天気で快適でした。海の上からのオペラハウス・ハーバーブリッジ・ 高層ビル等々の眺めは最高でした。 それから、この日のもう一つの目的は漫画「美味しんぼ」で紹介されて「シドニーで 今一番の レストラン・TETSUYA」での食事。栗山氏他を誘って総勢11名での 食事となりました。何でも夜の予約は3ヶ月先まで一杯とか。本当にラッキーでした。 味の方はここでは書き切れないので、別に書きますね。それにしても素晴らしかった。 これからシドニーに行かれる予定の方は絶対に行くことをお勧めします。値段も飲み物 はBYO込みでA$80程度でしたからとてもリーズナブル。 夜は「タウン・ホール」での「ST.JOHN'S COLLEGE CAMBRIDGE」の演奏会。とても素 晴らしい演奏だったのですが、昼の4時間に渡る食事の疲れの為、ほとんど寝てしまい ました・・・。 それから密かに狙っていた、「ユネスコ賞(US$20000)」はフィンランドの タピオラ合唱団が受賞しました。なにしろ、ユネスコですから当然子供の合唱団が有利 なのは当然です。(今回の招待合唱団の中で子供の合唱団はここだけです) 今回の賞はコンクールではないので事前の審査が中心で、今までの実績や知名度から言 ってOMPとタピオラでは勝負にならない、というのが万人の認めるところです。ただ 、今回の審査員の中のスウェーデンの著名な作曲家がOMPの作品と演奏を高く評価し てくれ、ユネスコ賞に推薦してくれたそうです。 とにかく、今回の世界の合唱に一石を投じることが出来たことがなによりだと思って います。
8/15(木) 朝から団体での観光。バスに乗り、コアラを抱いて写真を取れる「ワイルド・ライフ ・パーク」へ。平日だったためかガラガラだったのですが、その中でもバスで乗りつけ るのは日本人の団体ばかり・・・。コアラを抱いて写真を撮れるのは今年一杯とかです が、あの流れ作業の「コアラを抱いて写真」は酷いですね。「動物虐待」で中止となっ ても仕方が無いと思いました。(私も撮ってしまいましたが・・・) それからシドニー随一の観光地の「ブルーマウンテン」へ。いわゆる風光明媚な場所 ということで、さして面白い物無し・・・。 それから買い物と食事を済ませ、7時には空港へ出発。22時15分発のカンタス2 1便に乗り、翌日の6時40分に成田空港に到着。帰国ラッシュの始まる前だったのと 早朝だったのが幸いして混雑にも逢わずスムーズに家路につくことができました。 以上、長々と書いてしまいましたが、世界の合唱の素晴らしさに触れることが出来たの と同時に日本の合唱の存在価値も知ることが出来ました。また機会があれば是非参加し たいと思っております。

GFA00126@niftyserve.or.jp(高田憲一)

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