OMPコンサート・レポート

合唱団OMP第15回定期演奏会『戒厳令』

1997.11.7 東京文化会館大ホール

■プログラム
合唱団OMP第15回定期演奏会
                1997年11月7日(金)19時開演 東京文化会館大ホール
                             助成=芸術文化振興基金
  後援=日本現代音楽協会/東京都合唱連盟/日本合唱指揮者協会/合唱人集団「音楽樹」

合唱劇「戒厳令」−アジアン・コミックス−(委嘱初演)

脚本・演出  :加藤 直
作 曲    :林  光
指 揮    :栗山文昭
クラリネット :橋爪恵一
ヴァイオリン :後藤龍伸
アコーディオン:佐藤芳明
ピアノ    :吉村安見子

舞台監督  :中村真理
照 明   :木下泰男
スライド  :品川昌二((株)アルゴン社)
音 響   :藤居俊男((株)ステージオフィス)
舞台監督助手:山崎あきら(ステージクルーBAU),
       山本哲也
演出助手  :斉藤千津子

団内指揮者  :宮澤 彰
練習ピアニスト:大島啓子
序  ・音楽
一章 ・彗星
二章 ・妖精
三章 ・疫病
−ペスト
四章 ・虎馬−アジアン・コミック(1)
五章 ・虚無−という名のお道化者
六章 ・裁判−疑がわれたうた
七章 ・伝説−アジアン・コミック(2)
八章 ・秩序−鉄のバラの咲く春
九章 ・漫画−アジアン・コミック(3)
十章 ・会話−アジアのあちこちで囁かれる
十一章・日本
終章 ・音楽
終章 ・もう一つの


■レポート/感想

■当日のアンケートのまとめから

<栗友会関係編>
・おもしろいッス 今度僕も演りたいです
・話の意味はわからなかったけど、見てて聴いていて楽しかったです。
 でも、自分が参加したらもっと楽しいだろうなと思いました。
 衣装がひとりひとり違っていておもしろかったです。
・話の内容はよく分からなかったけど、歌声とか楽器とかはすごくすてきでした。
 アコーディオンの音楽がすごく好きでした。影絵とかが楽しかったです。
 長くてちょっと座り続けているのがつらかったです。
・大変楽しませていただきました。思わず僕も参加したくなりました。
・とてもせっぱつまっていたとは思えない演奏で うーんさすがだなぁと思いました
 なーんとなく 星とど(*1)みたいで(作者同じですものね)すごくたのしそうでした
。
 さいごの曲と沖縄の曲が好きでした。
 そう、私たちといちばんちがうなと思ったのは 何より何を言っているのか
 わかるってことです。見習いたいです。
・格好良かったです。いい感じ。伴奏の楽器も良い雰囲気を醸し出してました。
 上手なところは声が1つになってきこえるもんなんだなと知った。
 本当 良かったです。 衣装とか皆バラバラなようで みょうにしっくり
 いっていた気がする。
・全体通すと曲の内容がさっぱりわかりません。1つ1つはきれいな歌なんですが..。
 再演希望。やっぱうまいですね。短い期間でよくもここ迄ってかんじです。
 お疲れさまでした。
・とてもすばらしかったです。沖縄の所 とっても好きです。
・多少声のバラツキはあったもの、全体としてはすばらしいものだったです。
 照明効果や音楽の取り入れ方もおもしろかったです。プログラムで文章の配列の
 せいで多少見づらかった。
・栗友会の演奏会で前回”ヴィヨン”を見ましたが、今回、参考資料の助けをかりて
 やっと、「あ〜なるほど」と思えるものがありました。とても楽しかったです。
 ただ、セリフが重なっている所や、早い所など聞きにくいところがあったので
 もっとしっかり聞きたかったです
・とても一週間前に完成したとは思えない演奏でした。
・楽しかったです。直前の苦労を見ず、ステージを見ることができたので文句なしに
 楽しめました。一人一人の顔が、人間が見えて、楽しんだ。構成、アンコール
 (カーテンコール)すっきりしててすてきでした。
・本当にタイヘンだったね。でも本番は客は入ってるし 言葉もみんなわかるし
 声もでてた エライエライ!!! なによりおもしろかったのだ よかったよかった
 次回はもっと早く曲できるといいねやっぱ。

*1)加藤直脚本/青島広志作曲「星からとどいた歌」

<その他・学生さん編>
・いろんな演出をこなしつつ、歌もあれだけ歌いこなしていて、すごいなあと思い
 ました。基礎的な力がないとできないことなんだろうと思います。言葉もよく伝
 わってきました。1時間半の長さをかんじさせず、世界にひたることができました。
・こんなに言葉がわかりやすかったのは、はじめてだ。あまりシアターピースには
 なじみがないが、すごく自然に楽しめた。
・詩等、とても現代的でおもしろかったです。衣装がすてきです。うしろの画面も
 よかったです。またこのように変わった演奏会がききたいです。
・歌については、文句なしだと思います。どのようにしたらあんなにきれいで
 芯のある声が出せるのですか? 言葉もものすごくはっきりと聞こえてきました。
 上手だということは、かなり前から知っていましたが、本当にそうだと思いました。
 時々止まっているところがありましたが、本当に写真のように誰一人動いてなかった
 ので、彫刻をみているみたいでした。歌詞をのせて欲しかったです。四階席だった
 ので、影絵のもとになるもの(何ていうのでしたっけ?)がバッチリみえていました
 ....。
・素晴らしい!でもちょっと難しかった。
・一番最後の曲が特によかったと思います。鳥肌が立ちました。
・さすがだ〜〜と思いました。1年位前にOMPを知り、始めてCDで聴いたときから
 「とりこ」になってしまってます。すばらしい指揮者で歌え本当にすばらしい音楽
 をしていて団員一人一人の心が伝わってきました。来て本当によかったです。
 ハアー、今日も感動して眠れないかもーー。
・感動しました。難しいことはよくわかりませんがとてもとても良かったです。
・詩の内容が深く考えさせられるようなものでした。振り付きだと歌もおもしろい。
 しゃべっているセリフできこえづらいものがあった。
・楽しい演奏でした。あのような演技ができるとすばらしいと思います。もう少し
 内容のくわしいプログラムがあると良かった。
・すばらしい演奏でした。かなり動きがあったのにハーモニーがくずれないのは
 さすがだと思います。
・うたがすごくきれいでした。私は林光さん好きなんです。やっぱメロディがとても
 とてもすてきでした。しかもアコーディオン、ヴァイオリン、ピアノ、クラリネット
 もすごくキレイでした。うう、でももう少し歌が多いとよかったなぁ。ときどき
 動きばかりに気をとられてしまったりとか、動いてばかりでないで歌ってくれぇ
 とか思ってしまうときも。でも基本的にこういう実のつまったモノは好きです。
 休憩もなかったから大変でしたでしょう。ありがとうございました。
 プログラムには、出演者の名前だけでも全員のせてほしいです。
・すごく綺麗な歌声で本当にうっとりしました。動きやせりふもとっても斬新で
 よかったです。時々、動きばかりに気をとられて歌がきけなかったりしましたが。
 でも、本当に素敵でした。木の精の「キジムナー」さんと子供たちの所が私は
 好きでした。動いても全然声が変わらなくって とても感心しました。次も
 頑張って下さいネ。
・内容が難しかったけれど、おもしろく聞かせて頂きました。ハモリもすばらし
 かったです。勉強になりました。
・すっすごいものを見てしまった!!というのが第一印象です!!最高っでした!!!
 合唱団の枠を思いっきり超えたすばらしいステージでした。まばたきするのも
 もったいない位。すばらしい演出、すばらしい音楽。たくさんの感動をもらいま
 した。ありがとうございました。私も劇で歌いたいです。
・素晴らしかったです。内容についてもう少しくわしい説明の書いたパンフレット
 などがあればもっとよかったと思います。
・全体の構成 何かよくわかりませんでしたが、終曲はとてもよかったです。
 林光さんの曲はやはりよいですねー。
・感動しました。すばらしかったです。涙が出そうになりました。人に訴える
 演奏(演技?)というのはこういうものかと思いました。
・前から興味があったのですが、はじめて観させていただきました。よかったです。
 入り込める世界があって、最後はちょっと感動的で。影絵と紙人形(?)は
 もう少し表現力を上げて欲しいです。合唱、照明などが素晴らしい分、気になり
 ました。劇、ミュージカル等も見ますが、合唱劇、いいと思います。合唱経験ない
 方が、見るときの新鮮さがあるのでしょうか。
 新しい分野を開拓していくことにはあこがれます。いいなあ。多忙(?)にして
 貧乏なので学生券はうれしいです。機会ありましたら、また来ます。
・感動しました。言葉がよく伝わってきました。また聞きにきたいです。
・生演奏はよいと思う。特にアコーディオン、ヴァイオリン、クラリネットの掛け合い
 がいい。ソロで歌った女性の方、芝居上手でした。セリフが聞き取れない、セリフ
 まわしに難のある方も少なからずいて、やや残念である。今後の演技面での向上に
 期待します。次回も頑張って下さい。プログラム、一色刷りなのがさみしい。
・もっと芝居を見た方がよろしいと思います。台詞の読み方がわかってないです。
 「はい、次。」っていうのが見えて、見てる方は苦痛です。引き込まれる要素が
 何もないです。歌の技はあるのだから、もっとできるはず。50人もいてこの程度か
 って感じです。林先生に申し訳ないと思います。合唱も「うたって」なかった。

<その他・一般のお客様編>
・歌声がとても美しかった。力が入ってなくて柔らかくて綿のようにフワフワしている
 響きなので聴いていて心地よかった。今日の曲は始めはびっくりしたが次第に
 引き込まれた。
・ん〜これは「合唱」の枠ではくくれませんな〜。くわしくはPC-VANに書きます。
 来年の第9、期待してます。
・関西とは違う。スマートです。団員の紹介がほしい。
・演出もすばらしいし、歌の方もちゃんと音程、タイミングがあっていてさすがと
 思いました。
・再演はいつですか?
・危なげない舞台運びに脱帽。裏のスタッフの方々にも拍手!パチパチ...
・正直言って話の内容は難しかった。しかし節々に考えさせられる場面がありました。
 ありがとうございました。すばらしい演技でした。(無記名)
・アマチュアの皆さんがここまでできるようになるまでなさった努力には頭が下がり
 ます。もともとレベルの高い合唱団だとはうかがってましたが、音楽性の高さと
 視覚的効果のすばらしさに驚きました。声のよく通る方が多いのには、さすが!
 と思いました。カミュの戒厳令を読んでないのでよくわかりませんが、自由と
 統制、芸術における人間性、自然の貴さ、などとても普遍的なテーマを扱って
 いますね。なぜ”アジア”にこだわったのか、そのあたりをプログラムなどで
 もっと詳しく解説して下さるとわかりやすいと思いました。
・おもしろくて楽しかった。照明が素敵でした。
・新鮮でした。スライドが少し見にくかったです。(何が写っているのかよく
 分からなかった)
・明瞭な日本語の語りとコーラスがすばらしかった。
・上京してたまたま時間があり(#長野県上田市の方)文化会館に立ち寄って
 林光の作曲に興味があって....。不安、虚無、抵抗 余すところなく表現される
 ミュージカル?しかし、すばらしいハーモニー、語り、見事でした。林光の曲は
 すごい。
・大変良かったです。一ヶ月とちょっとで良く仕上がったと思います。人生の
 何%かをこういうことにかけられた皆さんをうらやましく思いました。林先生も
 栗山先生も偉大な先生ですね。
・「アジアン・コミック」としたわりには最後まで焦点が明確ではなかった。
 加藤先生の演出が年々複雑化しすぎていて本当にお客のために作っているのかと
 疑いさえしてしまう。このような演奏会では、栗山先生が活動している「音楽樹」
 との理想とかけはなれたものになる。はっきり言って、自己満足になっている。
・東京にいないのでたまにしか聴けませんが、聴いた時いつも満足しています。
 間宮作品も聴いてみたい。合唱関係者以外の人々に、活動が知れるとよいと思
 います(ただし、「音楽評論家」を介さずに)
・大変良い構成でした。普段着着用が良かった。
・1時間半はちょっと長いがおもしろかったです。

編集:伊藤徳和<nor@green.ocn.ne.jp>/林 瑞絵

<BIGLOBE PC-VAN SIG『クラシックコンサートホール』大ホール#8422(97/11/8)より> ★タイトル (ESJ58203) 97/11/ 8 0:22 ( 61) 演奏会>合唱団OMP第15回定期演奏会  ブー ★内容 (プログラム略)  去年は、一般のコンサート形式をベースに、「宇宙について」で客席におり るシアター・ピース方式の構成でしたが、今年はコンサートというより、「楽 劇」(合唱劇となっているけど、「楽劇」のほうがいいと思う)というべきも のでした。  こちらに顔を出されている団員の方には申し訳なかったですが、舞台を観や すいポイントを選びたかったことなどから、チケットは通常のコンサートと同 様のルートで購入しました。そしたら、正面で究生さんやちゃむさんが歌って る(台詞だから「語ってる」か)わ、すぐ横に林光さんが座ってるわで、選択 は正しかったようです。  伴奏はオケピットを開けて、そこに配置。舞台はひな壇を組んで、後方はス クリーン。そこにいろいろなスライド(ブタの頭が映ったときがあった)を映 したり、各章ごとのテーマをうつしたり。  曲は、全体が14のパートに分かれていて、台詞ありユニゾンの部分あり、 きれいなハーモニーの部分ありと、実にバラエティーに富んでいて、退屈しま せんでした。この手のプログラムは、ときどき、聴衆を置いてけぼりにしてし まうことがあるのですが、そういうことはありませんでした。  とちゅう、どの曲だったか、完全にタンゴの曲があり、楽器が楽器ですから (アコーディオン、ピアノ、ヴァイオリン、クラリネット)、「お〜ピアソラ してるぜ」と思ったり、そうかと思うと、シャンソンのような曲調がでてきた り...。  合唱の部分では、カラッと鋭く、バランスのよい「OMPサウンド」(私が 勝手に言ってるだけです(笑))を十分堪能する事ができました。しかし、演 劇の要素もたっぷりで、そっち方面の面白さもありました。終演後のホール内 の空気も「曲が終わった」というより「芝居がはねた」という感じでした。  しかし、あれだけ動きや演劇的要素をこなして、それで合唱もピッとハマッ てしまうんですから、やはりただ者じゃないですわ。  そうそう。演出とか舞台装置とかも、変にマニアックじゃなくて、わかりや すくてよかったです。初台で無駄金使い倒してる連中はOMPに学ぶべきです。  次聴くのは「栗友会」(6月の第9)になりますが、朝比奈先生の棒で、ど んな第9を聴かせてくれるか、楽しみでなりません。  あと、来年の定期はトリフォニーで11月15日となってますが、こんどは どんな系統のものをやるのか、これも楽しみです。 Λ  Λ (^Θ^) PC-VAN: ESJ58203   ブー ======================= 1997-11-07 (Fri) 23:24:20 ====================
<BIGLOBE PC-VAN SIG『クラシックコンサートホール』大ホール#8423(97/11/8)より> ★タイトル (QHC82830) 97/11/ 8 1:21 ( 43) 演奏会>OMP第15回定期(東京)    新浅川鉄道 ★内容  いったい#2に演奏会リポートを上げるのは何カ月ぶりだろうか、という感 じですが、現代物で久々に「これはどうしても行きたい!」というコンサート が出現。究生さんのお手をわずらわせて、聴いてきました。 (プログラム略)  初演なので当然とはいえ、何ら予備知識のないまま、まっさらな心を持って 演奏会(または、舞台)に臨んだ私。客席後方から鳥のさえずりや、街の雑音 が聞こえてきたと思ったら、すーっと演奏が始まってしまいました。そして私 はさらに心を真っ白にして、人の声と小編成のオケが織り成す波の中に、身を 任せる以外にありませんでした。  平和をむさぼっていた市民たちの上に、何かを予言するように現れた、一筋 の彗星。突然疫病がはやり、穏やかな生活ができなくなった時、人間はその本 性を表す。そして海にこぎ出て、さまざまな旅をし、さまざまな風景が展開さ れる−。  途中から私の心の中に、ある変化が生まれたことに気付きました。それは、 今こうして音楽と視覚で自分が感じ取っているものが、実は自分の心の中のさ まざまな風景そのものではないのか。花を踏みつけてやりたくなる妖精の悪魔 的なつぶやき、歌うことが何になるという疑い、戒厳令の下で現れる反発と従 順。こうした得体の知れない、いろんなものが絡み合ってできている、自分の 投影が今ここにあるのではないか、と。  その予感は、11章「日本」に来たところで、確信になりました。語り部は 言う、アジアの国々で僕らが見てきたさまざまな事は、実は自分が昔見た事な のだと。  そして終章、化け物どもの思い出を洗い流すかのように、さわやかなイ短調 の旋律がホールを包みます。流れはクレッシェンドして、力強い合唱となり、 始まりがそうであったように、さらっと終わるのでした。  私はJIROさんの隣に座っていましたが、長い拍手が終わってホールが明 るくなっても、しばし席から立てませんでした。合唱曲1曲で、こうも大きく 心を揺り動かされ、その内情をあばかれてしまうとは。そして、これだけのヘ ビーな作品を見事に演奏し切ったソリスト陣と合唱団OMP、ただものではあ りません。  こういう演奏会もあるんですね。来て良かった一夜でした。 新浅川鉄道 (from Mitaka-City) PC-VAN:QHC82830 NIFTY:MXF01777 Home Page URL http://www2s.biglobe.ne.jp/~takakyo/
■合唱団OMP第15回定期演奏会『戒厳令』を聴いて 〜 唐澤  「また新しいことをやってくれたな」  毎年合唱団OMPの定期演奏会を見続けている者にとっては、OMPの委嘱 作品の繰り出す新しさは、年に一度のお楽しみになっていると言っていいのかも 知れない。そして、今年もまた充実した体験をさせてもらった。  今年の委嘱作品『戒厳令』はカミュの原作を下敷きに加藤直がアジアン・ コミックに仕立て上げた作品。しばらく前から、加藤直がオペラでもミュージカ ルでもない歌芝居をやりたいと言い、林光とのコンビで開拓してきた形の最新作 となる。  『戒厳令』のテーマは、ペストに襲われた都市に広がる恐慌、噂、為政者の 独善と戒厳令、逃げる人々、自由を求める歌。そんなものの断片が、どこか わからないアジア都市にコラージュされて展開する。原作はもちろんヨーロッパ が舞台(カミュの『戒厳令』はスペインはカディスが舞台)。  もともとが「不条理劇」で有るが故に、通して見たことの充実感というものは 得にくい。ただ、14ある幕のそれぞれが次々と現れては消えていくことによる ジェットコースター感覚の楽しさと、そこに流れる歌の美しさが記憶に残り、 一緒に口づさみたい感覚が心の奥に残された。  林光が日本の現代の作曲家の中で貴重な、ソング・ライターであることを、 改めて確認した。  舞台はシンプル。オケピットと、舞台中央にハの字型に組まれた山台と、袖に 組まれた照明のやぐら。中央に「ブレヒト幕」(背丈にも足りぬ白いカーテンのような物) 左右に、語り用の演台。具象的な仕掛けは無し。  客電が落ちると、どこからか聞こえてくる小鳥の鳴き声、街の雑踏の音。  それが客席を包んでゆっくり移動しながら高鳴っていく。  そして、その音とともに無言の合唱団の入場。実は鳴き声などは、 彼らが手にしたラジカセから流される音というカラクリで、私たちは客席までも 含めた演劇空間に招待されたような気分になった。  そして、合唱団が全て位置に着くと舞台後ろの壁面(と思われた場所)いっぱい にタイトル「戒厳令」の文字が映し出され、そのスライドには、香港の工事現場 のような足場の背景が奥行きを、そして、舞台袖の照明の足場が照らし出される 影が舞台の外までも広がりを表現して、ここが東京文化会館などではない、どこ かアジアの異国であるかのような空間を作りだした。  「掴むねぇ、のっけから」…正直言って、今まで見てきた「合唱劇」という ジャンルで感じた以上の「劇空間らしさ」がそこには作り出されており、加藤直 が合唱団OMPとともに取り組んでいるこのジャンルの作品に対する作り手とし ての情熱が強さが伝わってきた。  歌が始まれば、そこからはもう林光の歌の世界の気持ちよさに身を任せるだけ。  ピアノ、ヴァイオリン、クラリネット、アコーディオンという構成の楽師は、 こんにゃく座の作品などで林光が使い込んできた楽器だろう。昨今のピアソラ ブームのせいか、アコーディオンの響きもしゃれた使い方がされているし、耳に 気持ちよい。もっとも、タンゴがアジアンか?という疑問は無くもないけれど、 音楽を奏でると、汎アジアより、もっと外に流出していくものは有るのかも知れ ない。今のアジアが世界の音楽を聴いて居るわけだし。  ともあれ、中国風、琉球風、アジアの様々な音楽に似せて作られた音楽が次か ら次へと流れ、林光の歌は素直に耳に入ってくる。  一方、これらの仕掛けに載って歌う合唱団はどうであったかというと、実に きちんと歌いこなしていたと思います。できあがった作品を鑑賞するのに舞台裏 の事情なんか不要なことだとは思うけれど、台本が押しまくり、曲も押し、最後 の譜面ができあがったのが一週間前を切っていたなんて、見ていたお客さんには 全然わからなかっただろう。  今度の作品を見るとき、加藤直/林光のコンビで作られた「ヴィヨン」や、 それ以前の様々なシアターピースと比較しないわけにはいかない。こうした流れ の中でこの作品を評価するとすれば、「どうやら、とうとう本当に合唱と芝居が 融合した作品が出来てきたみたいだ」という一言につきる。  たとえば、柴田南雄のシアターピースの諸作品は、シアターピース作品の先駆 けとして重要な作品ばかりだと思うが、歌が生まれた現場にそもそも備わってい た「動きを含む環境」をそっくり再現しようとしているように思える。  また私が気に入っているOMPのシアターピース作品の一つに「タロウの樹」 があるが、あれは「歌の世界を強める」ための働きを持った演出だと思う。  それに対して、近年の加藤直の作品は芝居に対して大きく踏み込んだと思う。  その第一作たる、「ヴィヨン」は演劇的には面白い作品に仕上がっていたが、 フランソワ・ヴィヨンに付いての予備知識を持たない者にとっては、作品から得 られる内容だけではわかりにくい弱点もあり、元こんにゃく座の俳優氏を主人公 ヴィヨンに起用したことは、魅力的な芝居になったと言えるが、主人公が輝いて いるあまり、主人公+合唱団というぐあいに、なにか溝があるようでもあり、 歌芝居としての成功と、合唱団の側から見た「合唱劇」を創るという目標に ズレが感じられたことは否めない。  そのヴィヨンで見た物足りなさ、居心地の悪さは、今度の作品で見事に完成し ていた。  「戒厳令」はまさに演劇であり、合唱という匿名の集団だけが表現する独特の 世界を作り上げることに見事成功した作品になったと言える。  合唱団はこれを見事に演じていたが、希望を言わせてもらうとすれば、ひとり ひとりが、もっともっと濃密に世界を描けるようになる必要があるのではないか と言うことだ。  同じ加藤直作品の「ヴィヨン」で我々は、ただ一人のプロの役者の演技力に 数十人の合唱団が、その他大勢、無名の群衆に成ってしまいかねない力を見せつ けられた。今回の『戒厳令』では特定の個人の演技力が作品の全てを決定づける ような構成にはなっていないが、そうであればなおのこと、ひとりひとりの表現 力の高さが求められるのではないか。歌抜きの芝居を演ずることが出来るくらい の能力を皆が身につけたときに、それは、歌にも跳ね返ってさらに深い世界が 創られるのではないかと期待している。  ひとりひとりが強烈な演技力を持ち、それが匿名の『仮面をかぶる』ことが 出来たら素晴らしいのではないか?それは、単純に美しく声を合わせる合唱とは 違う世界を作り出すのにぜひとも必要なことではないかと思われる。  こういう感想をもったのは、具体的には、あっというまの楽しい時間であった この演奏会の最後の曲で「もっと楽しみたいのに!」と思ったことによる。  長さを感じる暇がない出来映えではあったが、それぞれの幕はそれぞれに、 もっとパワーアップすることが可能で、そうしたら、もっと目が回るような楽し さが得られるのではないかという期待を感じてしまったのだ。  だから、この作品は絶対再演して欲しい。団員も作曲家もギリギリの スケジュールで頑張ってきたのは知っているから、是非もう一度練り込んでより 完成させた舞台に接してみたい。切にそう思うのであります。 ----*----  さて、全体を振り返って気に入ったところを幾つか。  とにかく、照明効果は美しかった。舞台の背景に使われたスライド写真も、それ があんなに空間の広がりを演出する物だとは知らなかった。  狂言回し(?)の道化役をされた堀津さん。日常のキャラクターが有っての うえの抜擢だっただろうとは思うけれど、なかなかの役者ぶりで楽しませて貰い ました。最後のちょっと崩した歌も、まさにこのシーンでそうあって欲しい歌声 だったと思います。  森の妖精たちや子供たちの演技もとても楽しかった。ぜひ、これで、役者とし ての楽しさに味をしめてこの道を深めてくれると嬉しいと思います。  アジアン・コミックであることについて… う〜ん、アジアだったのかなあ? …とこれにはちと、疑問がある。最後の方で舞台が日本に戻ってきて、 「あぁ、日本はアジアだなぁ」と少し思ったけれど、全体としては、西洋の匂い の残るアジアだと思った。何ででしょ?  影絵、人形劇は趣向が変わっていて楽しかった。ただし、人形などの扱いが イマイチ歯がゆかったのは、アジア的チープさを出したかったのか、そこまで 練習の手が回らなかったのか不明。  面白い仕掛けであるからこそ、みんなの視線が集中する。是非、こういうのも 練り上げて欲しい。  「声」がよく伝わってくるのはさすが。プロの声楽家は見習えよって感じ。  お陰で、パンフレットにあらすじなど書いていなくても内容はちゃんと伝わっ てストレスはなかった。もっとも、不条理劇のことだけ有って、話が交錯してい て物語そのものがややこしい。後から作品を反芻するためだけにでも、解説文は 欲しかったかな?  今はまだ、お客さんは合唱関係者とお友達が多いのだろうと思うけれど、 この路線は、演劇ファンにこそ見てもらいたい。たとえば、こんにゃく座の ファンなんかに来てもらって、同じ作者、作曲者がこんな仕事をしているのを見 て貰いたい。  さいごにもう一つ。  「合唱劇」への取り組みは毎年着実に成果を上げていて素晴らしいと思うけれ ど、OMPにはまた、高い密度の歌を歌い上げる素晴らしい力もあります。  コンクールには出なくなったのだから、合唱の王道を突き進むタイプの演奏会 も是非聴かせてもらいたいと思います。お客は欲張りなのです(笑) 唐澤/からから!(k-kara@mtb.biglobe.ne.jp)



015/015 BXG04725 まるじゅん OMP「戒厳令」観劇記(長文) ( 7) 97/11/10 17:08 (プログラム省略) カミュが自作『ペスト』を元に書いた戯曲『戒厳令』を題材にしている,とのこ とですが,直接ストーリーを反映しているわけでは無いようなので,予習は一切せ ずに行きました. 明確なストーリーもキャラクターも無い(はっきりした登場人物は「道化」と 「キジムナー(沖縄の樹の精)」くらい,これは「人物」かな ^^;),各章はそれ ぞれに歌と台詞と演技によって構成されたメッセージを持ちますが,それも輪郭の はっきりしたものではない.「アジアン・コミックス」と銘打たれた章は,それな りにまとまった内容を持ちますが,それは「コミックス」の名の通り,現実から離 れたもの,本筋との関わりを捉えるのは難しいです. それらがつなぎ合わされると,全体としてはある種のメッセージが浮かび上がっ てきますが,それとて観る人の心の中でのこと,人により異なるでしょうし,一人 が一つだけとも限らないです. 何とも脈絡の無い書き方ですが,言葉にして説明しようとすると脈絡が無くなっ てしまう舞台なので仕方がありません.本当は「実物を観て下さい」とかいって済 ませたいのですが(^^;),意を決して書くからには,そうもいかないので,私自身 の内側を整理するためにも,私なりの感想・解釈を書きたいと思います. ただこれで予断を持たれて再演を観られる(あるいは観ないことにされる^^;)と 困るのですが.やっぱりあくまで「実物を観て下さい」です. 舞台上,中央には幅5m,高さ1.5mほどの白いカーテンがかかり,各章の区 切りを示すため開け閉めされたり,影絵のスクリーンになったり,人が隠れて覗い たり. 『彗星』による不幸の予兆,信ずる者・信じない者 『妖精(様々な自然に宿る精霊)』は自然に心を向けることの 無くなった人間に対し,一つの試み「それでも歌を歌えるか?」 上下袖近くにスタンドマイクが一本ずつ.何人もが入れ替わり立ち代わり,色々 なことを話す.下手側は『権力者席』,上手はそれに対する『民の声』.権力者側 は,始めは独裁政権を思わせる台詞で,ペストの流行による混乱を強権的に収拾し ようとするが,いつのまにか『ペストの王』の支配に替っている. 庶民?市民?民衆?はそれに表立って反抗することはない,息を潜め成行きを見 守り,難民化し,噂話をかわす.『アジアン・コミックス』が示され.それに何を 思うのか・思わないのか,歌を歌う.そしてペストの支配の終焉. 『ペスト』=伝染病の代名詞.しかしこれはどんな病なのか. 物質的豊かさのみを追い求めることか,自然を忘れることか. 心の問題ではなく,具体的事象か, 自然破壊か,秩序の美名に隠れた抑圧か.経済優先主義か 答えはどれでもあり,どれでもなし.あるいは別の何か? 『日本』にいる自分,アジアの人々を見て,自分の中のアジアに気付く.あるい は自分の中のアジア性の喪失に気付く.キジムナーの存在/不在を感ずる.やはり 答えは定かでなく.『音楽』のみ確かにこの場にある.... 「感動,というかなんというか,よく判らないのですが,でもすごく色々なもの を受け取ったです,考えさせられます」栗山先生に感想を問われてそんな答えをし たら・・ 「全部を判ってしまったら,それでお終いで,つまらないじゃないか. 判らないことを沢山持ち帰ってくれれば,それでいい」 ・・だそうです.本意なのか,先生もやはり困っておられるのか(^^;). 音楽はシンプルに聞えましたが,そう感ずるだけで,実は難しいのかもしれませ ん.とにかくOMPの皆さんの歌は,音程・ハーモニー・声質・発音,どれをとっ てもクリアで,演技ともあいまって,生きた言葉を伝えるという点において,まっ たく申し分なかったです. 全曲完成したのは今月2日,なおその後も直しの雨,という話は聞いていました がそれでここまで出来るのか,と思うとまったく驚嘆です(と言ったら,某氏に 「ステージに上がったものが全て,そんな感心の仕方は失礼だよ」と叱られた^^ ;).団員の方からは「あと一月あればもっと良くなる」と悔やむ言葉も聞きまし たが,これ以上舞台としての完成度が上がったら,そっちに観客のエネルギーがと られて,伝わるものも伝わらなくなるんじゃないか,と余分な心配をしてしまうほ どです. 舞監助手の方と話をしたところ「・・やっぱり直前の集中力,でしょうねぇ」と 半ば呆れたように言われていました(^^;). とにかくなにしろ,ご出演の皆さま,裏方の皆さま,ご苦労様でした. ぜひとも再演の機会を設けてください. <><><>><><><><><><><><> まるじゅん BXG04725 <><><>><><><><><><><><>
山梨の飯田です OMPお疲れ様でした。 とても面白いステージでした。あんまり内容というか、流れそのものは分からなかっ たのですが、それでも十分楽しめました。 特に私が気に入ったのは、「虎馬」。とガジュマルの木のとこ。 「虎と馬!?」。そういう意味だっけ???  もしかすると、そういう意味だった かも・・・と思わせるのがすごい。影絵がとてもアジアっぽい。  傘の木がとてもきれいだったのと、千栄子たちが可愛かったのと、曲がとても気に入 ったのと。 正面の12列だったので、幕の演出が一番楽しめる位置だったということもあるので しょうが、1時間半があっという間でした。 はじめは「あら・・・OMPって、こんなに人数減ったのか。大変だな」と思ったの ですが、あの演出であの舞台は、ちょうど良い人数でしたね。 声もよく飛んできて、クリアでしたし。 それにしても堀津夫妻はすごいですね。たしかソプラノだったはずだよなあ・・・と 思いながら聴きました。やけに傘が似合ってた。 よどみなくせりふが続くのには、あきれました。 一ヵ所だけ、一瞬間が開くところがあったと思うのですが、ほんとにドキっとしまし た。せりふ思い出せないのかしら、どうしよう! とこちらが心配してしまいました 。 いやあ、面白かったです。 昨晩カーノの打ち上げで、石丸、千栄子から裏話をいろいろ聞いたせいもありますが 、ちょっとやってみたい作品ではありますね。 何はともあれ、お疲れ様でした。 飯田
02437/02437 CXJ06366 SHELL OMPの定期演奏会 ( 1) 97/11/13 13:14 ああ、もう木曜日(;_;)。 大変遅くなりましが、先週金曜日のOMP演奏会の感想です(^_^)。 演奏会の様子については、まるじゅんさんがとっても立派に表に 書いてくださいました(^_^)。常々思っていたけど、まるじゅんさんは 舞台の様子を文章で再現するのが凄く上手です(^_^)。 ということで、僕は自由に勝手な感想など。暴言あります(^_^;)。 楽譜を見ながら聞いたわけじゃないから細部はよくわからないけど、 あれだけ曲の完成が遅れていたのに、よくあそこまで演奏できるなあ(@_@)。 凄いことです。大きな事故はなかったように思えたし。まるじゅんさんも 表に書かれてたけど、曲の完成時期とステージの完成度は関係づけては いけないけど(ステージの出来が悪ければ、そういう日程の厳しい 委嘱活動が批判されるべきで)、それにしてもよくぞここまで・・・。 こりゃ、ますます作曲家はツケあがって締め切りを守らないな(^_^;)。 衣裳のセンスがグッドだと感じました。また、カーテンコールのやり方も よかったですね。でも、本当はもっとミュージカルや演劇の舞台に 近づけるべきなんだろうな・・・。 「合唱劇」と呼べるジャンルは始まったばかり。個々の団員が完全に 演じきらねばならないという緊張感は、個々人には凄くあるでしょう。 たとえば柴田のシアターピースで客席におりて演じる場合も、ひとり たりともサボってはいけないのだけど、合唱劇の場合には、歌はもちろん 動きや台詞において、一人が弛緩しただけで全体にとって大きな事故に なります。そういう舞台の性格上、どうしても僕は夢幻さん(と太った ゴッシー?)に目がいきました(^_^;)。夢幻さんのしゃべりもよく 聞き取れましたよ(^_^)。喉の調子はだいぶ戻られたのですね(^_^)。 前半で(曲名は、ええとええと、失念^^;)、団員がアトランダムに 立ったり座ったりを繰り返すところがありましたが、あれは自分で タイミングを判断して動くということだったのでしょうか? では心から満足できる演奏会だったのかといえば、僕にとっては そうではありませんでした(^_^;)。それは、林氏の音楽のせいです。 僕は、林作品をかなり好意的に受け止めている方だと思います。彼の 合唱作品の大半は大好きだし、器楽曲も聞いたりする。 今回は、今まで聞いた林作品の中で最もつまらないと感じたのです。 ひらーたく言うと、曲に感動するところが殆ど無かった。まるじゅん さんや、夢幻さんをはじめお歌いになった皆さんはどう感じられた でしょうか? 確かに、ピアノ、アコーディオン、バイオリン、クラリネットという 器楽編成の目新しさはあった。でもそれが感動に結びついたかどうか。 器楽のみの長大な演奏の部分はまだマシ(いい瞬間がいくつかあった)で、 合唱部分は???の連続でした。 林氏の合唱作品は、簡潔なのに(内声の音とりが困難なのは 別にして)、直接琴線に触れてくる、あるいは、ずっしり重たいものを 与えてくれるのが常なのに、今回はなぜだろう? フィナーレのみ、林の本領が少しでたのが救いだったかな。 あるいは、かつて実演で聞いた栗山指揮カロスの「鳥のうた」が意外な 凡演だったように、実は栗山師と林音楽の相性は悪いのか?(^_^;) それとも、林の曲は台本の世界を的確に音楽に描出していた →それが理解できない聞き手は、劇の内容そのものが理解できて ないだけ、聞き耳が無い ということかもしれません(^_^;)。 音楽がつまらない音楽劇は正直言ってつらい、従来の演劇で十分 という感想を持ったのです。でもこのジャンルは育てていかねば なりません。今となっては、カロスの今年の春の演奏会に行けなかった のが悔やまれます。比較できなひー。 というわけで、後半は暴言ばかりで陳謝です>夢幻さん
小池実穂さん(るふらん) おっぱようございます。 金曜日はお疲れ様でした。。。 おめでとうございました。 ここのところ、本当に次から次へと、本番がつづきますね。 なんか、生きてるぅ〜って感じですね。 レセの時、OMPのみなさんが本当に生き生きした顔していて、 そりゃ興奮しているせいもあるのだろうけれど、 みんなうれしそうで、あの顔を思い出すだけで、 なんか、再び感動がおしよせてきます。 演奏会の中身は、中身はやっぱりわからなかったのだけれど、 部分、部分ジーンとする場面や、 映像的にとてもきれいだった部分やなんかで、 自分が小人、妖精になって木の中にいて見上げているような気分で、 ピョンピョン飛び跳ねているようなトランス状態でした。 みつえさんにもびっくりしたし。あれじゃ、ほんとの役者さんって感じ。 かっこよかった。あの地声。 高田さんもあの衣装かわいかった。 シナリオとか一度読んでみたいなって思いました。 しっかし、OMPのみなさんも先生も休んでいるヒマありませんね。 体こわさないように!! 今週はガラコンですね。見にもいけないのだけれど、がんばってください。
02440/02440 GFA00126 夢幻 RE:OMPの定期演奏会 ( 1) 97/11/13 15:27 02437へのコメント SHELLさん >ああ、もう木曜日(;_;)。 >大変遅くなりましが、先週金曜日のOMP演奏会の感想です(^_^)。 なんかもう随分前のことのような気がしています・・・。 >演奏会の様子については、まるじゅんさんがとっても立派に表に >書いてくださいました(^_^)。常々思っていたけど、まるじゅんさんは >舞台の様子を文章で再現するのが凄く上手です(^_^)。 私もそう思いますね。>まるじゅんさん >ということで、僕は自由に勝手な感想など。暴言あります(^_^;)。 待ってました! >楽譜を見ながら聞いたわけじゃないから細部はよくわからないけど、 >あれだけ曲の完成が遅れていたのに、よくあそこまで演奏できるなあ(@_@)。 >凄いことです。大きな事故はなかったように思えたし。まるじゅんさんも >表に書かれてたけど、曲の完成時期とステージの完成度は関係づけては >いけないけど(ステージの出来が悪ければ、そういう日程の厳しい >委嘱活動が批判されるべきで)、それにしてもよくぞここまで・・・。 >こりゃ、ますます作曲家はツケあがって締め切りを守らないな(^_^;)。 GPまでは「飛び出し」「作詞」等々色々ありましたが、本番は大過なく行った と思います。 あ、道化がソロで歌詞を作ってしまいましたが・・・。(^_^;) 作曲家は「遅れた」とは最後まで一言も言いませんでしたね。まあ、元々脚本が 2ヶ月以上遅れたのが元で作曲家も被害者ですが・・・。 一番最初の打ち合わせのときに「山形の合唱団じゃがいもは1週間前だったそう ですが、私たちはそれでは出来ませんので」と言っておいたのに、それを上回っ てしまいました・・・。(-_-メ) 前はよくカロスに「そうやってギリギリでもなんとかやってしまうから、作曲家 がツケあがるのだ!」と言っていましたが、我が身に降りかかってきてしまいま した・・・。 >衣裳のセンスがグッドだと感じました。また、カーテンコールのやり方も >よかったですね。でも、本当はもっとミュージカルや演劇の舞台に >近づけるべきなんだろうな・・・。 衣装のコンセプトは最初は「旅人」、途中は「アジア」ということでああなりま した。なんとも怪しげで良かったでしょ? 今回は衣装合わせも何回かやったし、団員同士で融通しあっていました。 カーテンコールは最初は栗山師のアイディアです。但し、あまり能天気にもう一 度歌う、というのではなく「毅然と」歌うようにと演出家からは指示がありました。 >「合唱劇」と呼べるジャンルは始まったばかり。個々の団員が完全に >演じきらねばならないという緊張感は、個々人には凄くあるでしょう。 >たとえば柴田のシアターピースで客席におりて演じる場合も、ひとり >たりともサボってはいけないのだけど、合唱劇の場合には、歌はもちろん >動きや台詞において、一人が弛緩しただけで全体にとって大きな事故に >なります。そういう舞台の性格上、どうしても僕は夢幻さん(と太った >ゴッシー?)に目がいきました(^_^;)。夢幻さんのしゃべりもよく >聞き取れましたよ(^_^)。喉の調子はだいぶ戻られたのですね(^_^)。 そうなんです。一人でも集中を切るととても目立ちます。髪を直すなんていう仕種 をすると「日常に戻る」と言って必ず駄目出しに引っかかります。 まあ、この辺は演出家も言っていましたが「年寄りに一日の長あり」ですね。 私はあの日は数日前から節制していたこともあってとても好調でした。 力まなくても声がスッパリ出る感じで自分でも気持ちが良かったです。 >前半で(曲名は、ええとええと、失念^^;)、団員がアトランダムに >立ったり座ったりを繰り返すところがありましたが、あれは自分で >タイミングを判断して動くということだったのでしょうか? あれは段取りとしては最初に動き出す数名とその次とが決めてありました。 あとはランダムです。 >では心から満足できる演奏会だったのかといえば、僕にとっては >そうではありませんでした(^_^;)。それは、林氏の音楽のせいです。 >僕は、林作品をかなり好意的に受け止めている方だと思います。彼の >合唱作品の大半は大好きだし、器楽曲も聞いたりする。 >今回は、今まで聞いた林作品の中で最もつまらないと感じたのです。 うーむ、はっきり言って良く判らないです。 私は前にも書きましたが、今までカロスやこんにゃく座で歌われた曲はどうも心に 残らないことが多かったのですが、今回は自分で歌ったせいか、記憶に残っていま す。 >ひらーたく言うと、曲に感動するところが殆ど無かった。まるじゅん >さんや、夢幻さんをはじめお歌いになった皆さんはどう感じられた >でしょうか? この点についていうとはっきり言って感動はしなかったですね。 これは曲のせいなのか、それとも音を取って覚えるのに精一杯だったためかは判ら ないのですが、「思い入れ」という点においては今までになくクールでしたね。 逆にそれが良かったのかも知れませんが・・・。 >あるいは、かつて実演で聞いた栗山指揮カロスの「鳥のうた」が意外な >凡演だったように、実は栗山師と林音楽の相性は悪いのか?(^_^;) >それとも、林の曲は台本の世界を的確に音楽に描出していた 今回に関して言えば「栗山の音楽」ではなかったのかも知れません。 いつもだと「歌い口」についてはとても細かい注文がつくのですが、今回は時間無 いということで、ほとんどそういう指示はありませんでした。 OMPの団員の「素」の歌い方でやってしまったように思います。 >→それが理解できない聞き手は、劇の内容そのものが理解できて > ないだけ、聞き耳が無い >ということかもしれません(^_^;)。 この点については歌い手も観客のみなさんとほとんど変わらないと思います。 まるじゅんさんには脚本の初校を送ったのですが、「沖縄」の場面などは全く変わ ってしまっています。作品では「漫画」チックな世界だけが描かれていますが、初 校ではあの後に長大な基地や戦争についても描写が続いていました。 それを何故加藤氏がカットしたのかは判りませんが、これがあるとかなり趣がかわ ったと思っています。 この作品については加藤さんと林さんの間では「いろいろと仕掛けがある本」とい う話が通じていたようなのですが、私たちには判りませんでした。 それと出来上がってきた曲は最初脚本では当然歌として書かれている所が無く、か なりの部分がセリフになってしまいました。この辺も作曲家からは説明はなかった です。(これかセリフで良かったのか知れませんが、ちょっと引っかかっていまし た) >音楽がつまらない音楽劇は正直言ってつらい、従来の演劇で十分 >という感想を持ったのです。でもこのジャンルは育てていかねば >なりません。今となっては、カロスの今年の春の演奏会に行けなかった >のが悔やまれます。比較できなひー。 ヴィヨンも含めて再演の機会がそう遠くない時期にあると思います。 その時にはゼロから取り組んでみたいですね。 >というわけで、後半は暴言ばかりで陳謝です>夢幻さん いえいえ、私も感じていたことの一端ですので、大変ありがたいです。 97/11/13(木) 15:24 夢幻(GFA00126)

編集:唐澤<k-kara@mtb.biglobe.ne.jp>