「オホホ島奇譚」
加藤直
沖縄の海辺で拾い集めた噂話を神様が植えたというアダンの葉で編んだ籠に入れておいたら半分以上が風や雨に攫われて残った断片は「オホホ」についてと「パイパティローマ」の噂ばかりだった。アイヌやインディアンの歌謡に注意をむける寺嶋さんだ。興味はもってくれるに違いない。あ。「オホホ」というのはその昔、沖縄の島に流れ着いた西洋人の笑うだか泣くだかする声です。「パイパティローマ」というのは決して辿り着かない幻の南の楽園島のことです。どちらも音楽や歌みたいでしょう。