OMPコンサート・レポート | Tokyo Choir OMP |
■プログラム 合唱団OMP第17回定期演奏会 2000.1.22(土) 東京芸術劇場大ホール(池袋) 指揮:栗山 文昭(1,2,3,4) ピアノ+α:三宅榛名(3) 1. T.L.de Victoria / Requiem `a 6 2. Javier Busto / Ave Maria , Ave maris stella , O magnum mysterium 3. 三宅榛名 / 混声合唱とピアノ+αのための バラード<'98委嘱作品> 4. 久留智之 / 混声合唱のための ハミングバード<'99隠岐ミュージックセミナー委嘱作品・全曲初演>
私の席は芸術劇場の一階中央付近で、残響も直接音も良く聞こえる感じでした。 このホールは、合唱に向いていると感じました。●T.L.de Victoria / Requiem `a 6
これ一曲で50分くらい有るという長いレクイエム。
解説に、「作曲者が非常な悲しみの中で書いた作品」などと有りましたが、良く聴く、演奏会的で起伏の激しいレクイエムと違って、延々と荘厳な響きで満たされるという印象の曲で「ディレス・イレ」や終曲でも「確信を持った響き」ではあっても、劇的というのとは違う感じ。…つまり哀悼の歌なんだなあと感じた次第。(つまり演奏会用の曲ではない)なかなか緻密な響きがしていて、変化に乏しい響きが延々と続くのだけれど演奏者のテンションが伝わってきたから個人的には眠くなったりせず、芯の通った演奏だったと思います。
とはいえ、会場の後ろの方から時折(結構頻繁に?)物の落ちる音がしていたので、寝ていた人はかなりいたようですが…(^^;;
隣の友人(共通の団員の知り合いで音楽はやらない人)は、「合唱の演奏会というのはたいていこういうのをやるもんなんですかね〜」と、ため息を付いていました。
この後の休憩時間でロビーに修道女らしき服装の人も見かけたので、「信仰のある人はもっと違って聞こえるのだろうか」とも。とにかく"どこが面白いのかわからんな〜"という困った顔をしていました(^^;技術的にはソプラノの緊迫感とベースの厚みは大変充実していたと思います。テノールはやや印象が薄く、アルトはパート内のまとまりにやや欠けるところがあったと思います。そのへんがキリっと締まるといっそう荘厳な感じで、ホールを教会に変えてしまうような、そういう演奏になったかも。
前半で、ときどき子音のタイミングのずれが気になったのは、指揮者に分かりやすい指示をお願いすべきなのかな?東京芸術劇場は、天井が高く余韻が長いので、こういう曲に向いていると感じたので、その点は有利に働いていました。
●Javier Busto / Ave Maria , Ave maris stella , O magnum mysterium
現代的で洒落たセンスの響きがして、とても充実していました。
レクイエムの真面目で重い響きの後で聴くだけに、スペインの明るいマリア信仰の雰囲気の対比が際だちました。とにかく、自由自在に気持ちよく歌っている雰囲気が最高で、こういう曲こそがOMPの本領発揮だと思います。前のステージのレクイエムは「外国の有名合唱団のCDを聴いたら美しかろうなあ…」とうっすらと感じていたのに対して、この演奏は「今日この演奏会を聴きに来て良かった」と感じさせる手応えがあります。
Ave maris stellaのメゾソプラノ・ソロは、その質感がこの曲の宗教としての響きにぴったりで美しかったと思います。少年的な純粋さが有るというのか…。
さらに、そのソロにエコーの効果を付けるソプラノの響きが、柔らかく透明で、エコーとしての強弱がツボにはまって、ハッとするほど綺麗でした。
ソロが「天に歌いかける人の声」だとすると、ソプラノのエコーは、「星空に響いて降るような声、星の瞬き」そんな情景がぱっと広がるようでした。
もっと聴きたかったのに曲としてごく部分的にしかこの響きを使っていないのが残念なくらいでした。録音なら巻き戻して何遍も聴きますね、私は(^^)第一ステージでぱっとしなかったテノールは、この曲はまとまりがよいと感じました。
欲を言うなら、三曲目 O magnum mysterium の冒頭の、和音の変化がもっと鮮やかだと一段と美しいかと思います。
変化の要になる音を音量的に強調するとか、やや先取音的にするとかテクニックは色々あると思いますが、もわっと和音が変わるよりなにかきらっと光る感じがあると良いなあと、私は感じました。もっとたくさんこの作曲家の曲を聴いてみたく思いました。今後の演奏会でもぜひ取り上げて欲しいものです。
●三宅榛名 / 混声合唱とピアノ+αのための バラード<'98委嘱作品>
99年は定期演奏会がなかったから、前回の定期演奏会に続けての再演ですね。
この曲は三宅榛名さんのピアノのメロディーだけがやけに頭に残って、合唱は霧のように溶けてしまい何も残らない…という曲ですね。
初演の記憶より安定した響きがしていたような気はします。が、変な曲だなあと言う印象に代わりはありません。初演時はあまりにも変な曲なのでインパクトがあったような気がしますし、分からない故に「もう一度聴いてみたい」感じたのですが、こうして聞き直してみるとやっぱり変
この「何も残らない感覚」は本当にそれで良いのかなぁ…。●久留智之 / 混声合唱のための ハミングバード <'99隠岐ミュージックセミナー委嘱作品・全曲初演>
三曲の組曲で、1.3曲は大変面白かった。哲学的なキーワードが小鳥のさえずりのように無数に重なり合って響いてくるのは、ただ楽譜の通りにやると漫然としてしまいそうだが、OMPが演奏すると、ひとりひとりが個性をぶつけ合って力強く鮮やかだ。セリフ、擬音などのインパクトのある音がためらい無く飛び出して爽快。
そもそも、団員が楽しそうに演奏しているのが、こっちまで楽しく引き込まれてしまう力の源かな。二曲目は前後の曲がはじけた感じなのに対して間奏曲的な穏やかさを持った曲と感じたが、『急・緩・急』を演出するには対比の鮮やかさに欠け、『急・急・急』で畳みかけるには弱い、ちょっと印象のぼやけた存在になってしまい、結果的に「なんとなく緩んだ」というほどの感じだったのが残念。
所々にベースの地を這うような響きがふ〜っと残るパターンがありましたが、チベット密教音楽にあるようになんだか「宇宙的な感じ」が広がって、格好いいなあと思いました。
全体的には、OMPの個々のメンバーがもっている強い個性を存分に楽しむことが出来て楽しかった。シアターピースに分類される曲ではないと思うが、そういうセンスが物を言う曲でOMP向き。OMPらしさがたっぷり聴けて満足でした。
●全体について
OMP/栗友会の演奏は最近はオーケストラとの共演でたくさん聴いていますが、純粋の合唱を聴くことが出来たのは久しぶりだと思います。
オケの曲も面白く私は好きなのですが、やはり定期演奏会としてしっかり練り込んだアカペラを聴くのは格別で、嬉しく思いました。
もっともっと「長時間の練習で練り上げた純粋な合唱音楽」を大切にして聴かせていって欲しいと思います。●プログラム構成について
一曲目のレクイエムは、百合の花が飾ってあったことからしても、「昨年亡くなったピアニストの先生を追悼して」という意気込みがあったものと思いますが、どうも本物の葬式音楽で聴いて面白い物ではなかったというのが正直なところです。
合唱団の基礎の部分で「西洋の宗教音楽に取り組むのは欠かせない」とはよく言いますが、OMPがこの分野で最高の能力を発揮する合唱団ではないのは、本人が良く知っていることと思うし、その曲が一つの演奏会の半分近くを占めるというのは、演奏会のプログラミングの考え方に疑問を感じました。お客さん友達で、飲みに行った席で話題になったのは、やはりブストとハミングバードでした。
「ハミングバード」は素晴らしくOMP的でしたが、私が一番気に入ったのはブストの3作品で、宗教音楽の奥行きをしっかり押さえながら、洒落た響きを魅力的に聴かせてくれたと思います。
個人的にスペイン音楽のややエスニックな響きが大好きなこともあって、この作者の音楽をさらに取り上げていって欲しいと思いました。OMPの巧さ(重量感と、軽さ、柔軟性etc.)も引き立つ作品群だと思いました。
OMPの演奏会で聴きたいのはこういう曲です。 宗教曲はポピュラーで面白い曲なら楽しめると思うのですが、今回のレクイエムみたいな曲はどうしても「CDで聴いた方が面白そうだなぁ」と思ってしまいますから、50分じっとしている客も大変ですよね。(もっともCDで聴いても寝るかも知れないけれど)
榛名さんの曲は何度聴いても変な曲。合唱の響きが前と違って聞こえたのは、歌がうまくなったのか、曲の手直しがあったのか、どうなんでしょうか。
前回はもっとわけが分からない曲という印象だったので、多少なりともまとまった感じがしたのは再演の意味があったのかも知れませんが、有る意味「整ってパワーダウンした」と取れなくもない。いずれにせよ二年連続で演奏した成果にはちょっと疑問が残った。
「良い曲なので繰り返し演奏して世に広めたい」というのとは違う気がするし、前回は不本意な結果に終わったから敵討ちがしたい、という理由なら、不発に終わったような気がします。とにかく客として「OMPがもっとも得意とするジャンルの曲に全力を注いだ演奏会が聴きたい」ということを主張させていただきたいと思います。
実に久しぶりに合唱団OMPの定期演奏会を聴かせていただいた。
平成12年1月22日 午後6時半から 場所は池袋の東京芸術劇場。
プログラムは事前に知っていたので、結構ヘビーなことは覚悟していたが、ヴィクトリアの6声レクイエム以外は割と楽にきくことができた。
ヴィクトリアの6声レクイエムは、約50分の長大な演奏。正直言って私には長すぎ、ヘビーすぎたようである。最初の30分はそれでもなんとか音楽に集中できたが、後半は歌詞と時計をなんども睨みながらの鑑賞となってしまった。まだ私にはこのレクイエムを聴き通すだけの精神力が備わっていない。まだまだ修行がたりないというところか? 演奏そのものは極めて自然にできあがっていたように思う。しかし後半は前半ほどの緻密さに欠けてしまったのは残念。私、個人的にはソプラノがバランス的に弱かったこと、音の移り変わりの際のわずかなポルタメント、ところどころのテナーの飛び出しが気になった。
この曲にかぎったことではないが、OMPの声が少し変わったかな?と感じた。(特に女声) これは私の勝手な思いこみかとも思ったが、終演後いろんな人が同じように感じていたようで、やはりOMPの声は確実にかわっているようである。ひとことでいえば、声がマイルドになったかな? これがいいのか悪いのか私にはよくわからない。ただ聴きやすいことは確か。
次に今はやりのブストの宗教曲の小品が3曲演奏された。
ヴィクトリアの後だっただけに、ほっとさせられたが、個人的には3曲目の「O magnum mysterium」以外は耳ざわりの良い、極端に言ってしまえばヒーリングミュージックのような感じを受けた。時々面白いハーモニーもきこえてくるのだが、今ひとつ心を引かれるものを感じないのである。以前にも何度か人に薦められてブストの作品をCDで聴いてみたが、大変申し訳ないがどうも私は好きになれない。それでも3曲目の「O magnum mysterium」は前の2曲とは違う、少し変わった書法で書かれているようでおもしろく聴けた。
三宅榛名さんの「混声合唱とピアノ+αのためのバラード」。 ピアノとポータブル・ハルモニウムは三宅さん自身による演奏。この曲は昨年のOMP委嘱作品で、今回は再演ということらしい。ひとことで言ってしまうと、よくわからない曲だ。プログラムの解説によれば、このバラードは言葉によって物語るのではなく、音声そのもの、その響きによって物語ろうとするものとあるが、響きそのものが私にはそれほど魅力的ではなく、それも同じパターンを何回か繰り返しているように聞こえた。合唱団は見ていて生き生きと歌っているようで、それはそれで大変好感が持てたのだが、肝心の音楽に今一つ精気が感じられず、何故か音楽にとけ込めない自分にもどかしさを感じながらの鑑賞となった。それでも、最後のポータブル・ハルモニウムの音色を聴いたとき、言いようのない懐かしさを感じ、確かに小さい頃どこかでこの音を聞いたような気がした。
最後のステージは久留智之さんの「混声合唱のためのハミングバード」 。この曲は1999年の隠岐ミュージックセミナー委嘱作品で、今回が全曲初演となる。さきほどまでの統一された衣装とはがらりと変わって、団員がそれはそれは色とりどりのかなり派手な衣装をまとい、ステージいっぱいに広がって演奏された。素敵で大変面白い曲、声のもつ魅力を十分に堪能させてくれる曲であった。また演奏も曲の魅力を余すところなく伝えるものであり、今回の演奏会のなかで初めてOMPの持つ熱気が感じられる演奏であった。そう、私の聴きたかったのはこれだ! と思った次第。もっと練り上げていけば、作曲者のいう「生命の喜びがはじける祝祭の音楽」になっていくのではないか。もう一度聴いてみたい曲であるし、また自分自身も歌ってみたくなった。
最後に蛇足の一言。ヴィクトリアのステージでは大きな花が舞台中央に置かれてあった。田中瑤子先生へ捧げるためのものであろうが、演奏会でそういうことをするのはいかがなものであろうか。確かに瑤子先生とOMPのつながりが深いことは十分承知している人もいるだろうが、やはり聴衆は瑤子先生に捧げるためのヴィクトリアを聴きにきているわけではなく、ヴィクトリアのレクイエムそのものを聴きにきているのである。団員一人一人が瑤子先生への想いを胸に抱いてステージに上がることは一向に構わないと思うが、それをああいう形で表にだしてしまうことに違和感を感じてしまったのは私だけなのだろうか。(勝手なことを言ってごめんなさい)
佐々さんのホームページ(合唱団の風景/おやじの独り言)から転載
(Biglobe/SIGクラシックコンサートホールより転載) #9603/9608 大ホール コメント数(0) ★タイトル (PJJ47499) 00/ 1/28 18:14 ( 51) 演奏会>OMP定期演奏会 源内 ★内容 1階席右ブロック左端(右ブロックで最も中央寄りということ)前から3列目で聴き ました。芸術劇場は何度も行きましたが、3階ばかりで1階というのはまだ2回目で した。 それにしてもこの位置では舞台と同じ照明が降り注いでおり、頭がぼーっとして くるくらいとても暑かったです。 それから、この位置の座席は撤去できるものでした。オケピットに入って振り返 るとこんな風に舞台が見えるのだなと考えたりしました。 では感想ですが、実に器楽野郎らしい合唱のことがまったく分かっていないこと とりとめのないことしか書けませんのであまり参考にならないです。 ○ヴィクトリア レクイエム なぜかこの曲には縁があって、生で聴くのはこれで3回目です。最初はポール・ ヒリヤー指揮の東混で、次はどこだかわすれましたがアマ合唱団です。(もしかし たらNoriさんのところではなかったでしょうか?) 聴く度にとても良い曲だとは思いますが、起伏に乏しいので中頃からちょっと辛 くなるものがあります。今回も正直言って長さを感じましたが、演奏の充実ぶりの おかけで「辛い」というところまでには行かなかったです。合唱のバランスも感心 しましたが、ソロの方の上手さ、とくに曲の様式に適った歌い方に感銘を受けまし た。 ○Javier Busto Ave Maria Ave maris stella O magnum mysterium 美しさ、趣味の良さを持った曲だと思いました。ただ、個人的な好みとしては、 3曲続けて聴くとそれぞれの個性にあまり差がないのが残念です。 ○三宅榛名 混声合唱とピアノ+αのためのバラード 今回、個人的に一番面白いと感じた曲です。単なる伴奏でピアノが入る曲はあま り好みではないのですが、このようにピアノが合唱と対抗する「器楽」として扱わ れる曲はとても興味が起きます。これは私が器楽の人間だからでしょう。 この曲の突然入るピアノのメロディーとか、合唱とピアノが遊離してしまうとこ ろに三宅榛名さんの個性を強く感じます。ピアノとは逆に最後の+αはスタイルは まったく奇抜なものの、音としてはよく合唱と融合していたのではないでしょう か。 ところで+αは他にはでんな楽器でできるのでしょう。 ○久留智之 混声合唱のためのハミングバード まったく今回のメインに置かれるのに相応しいOMPの個性に合った曲で、これを 実に楽しく演奏されたと思います。演奏者も聴衆もそれが良く分かっていて盛り上 がりました。 終演後は久しぶりのCLAメンバーとの宴会でした。(クリコンは宴会欠席だったの で。) 演奏会の雰囲気をそのまま持ち込んだように楽しくて、あっという間に閉店時間 となってしまいました。 源 内
(Biglobe/SIGクラシックコンサートホールより転載) #9604/9608 大ホール コメント数(0) ★タイトル (ETN19816) 00/ 1/30 14: 2 ( 84) 演奏会>合唱団OMP定演 ココ ★内容 私も行ってまいりました。 一部のお友達にはもっと勝手なことをメールでお送りしてしまった のですが、それをもとにだいぶ書きなおしたものがこれです。 合唱団OMP第17回定期演奏会(2000/01/22 東京芸術劇場大ホール) Victoria/Requiem a 6 Busto/Ave Maria Ave maris stella O magnum mysterium 三宅榛名/混声合唱とピアノ+αのための バラード 久留智之/混声合唱のための ハミングバード ビクトリアのレクイエムは初めて聴きます。楽譜は見たことがあり、 かなり長くて大変な曲であることくらいは知ってました。 やっぱり覚悟がいる曲でした。 強弱なんかはもちろんありますけど、特に曲想が大きく 変わったりするようなことはなく、グレゴリオ聖歌をもとに 作られた「昔の宗教曲だねえ」という感じのすごくする 合唱が約50分続きます。 覚悟を決めて聴いている私も、途中で「まだ?...」と 思ってしまったのが2、3回ほど。合唱を聴くのに慣れて いない一般のお客さんにはつらかったようで、 客席のあちこちで集中力が切れているのがわかりました。 ただ、演奏はよくて、しっかりはもってもいたし、 出した音は責任持って、最後まで実のある声でのばされていたし、 強弱も、たぶん楽譜通りなんでしょう。演奏自体は、お客に 聴かせてもいい完成度だった。でも長く感じちゃったんです。 僭越ながら、昔の宗教曲を歌いなれている団体なんかが もっと違う歌い方で歌ったとしたら、もうちょっと客を 逃がさないことができたんじゃないか、という気もします。 休憩をはさんで、2ステはブストでしたが、会場の空気が 急にさわやかに変わったような気がしました。 どうもOMPは、ちょっと色がある派手目の曲を色鮮やかに 歌うのが、あっているようです。 3曲とも感じがとても軽いので、ひとつのステージというより フランス料理で途中に出てくるシャーベットみたいでした。 何ていうのか忘れましたが。 3ステは三宅榛名さんの「バラード」 前回委嘱初演した曲の再演です。 これについては後述します。 4ステの前に小休憩があり、黒に色とりどりの原色をあしらった 衣装に着替えた団員が、譜面台を持ってステージに並びました。 「ハミングバード」は、無礼を承知で一言で片付けさせていただくと 「和製シェーファー」だと思いますが、とにかく普通の合唱曲 ではなく、鳥の鳴き声あり鼻声ありしゃべりあり 音ぶつかりまくりリズムあばれまくり、の前衛的な曲です。 で、今回の演奏会で一番よかったのがこの曲の演奏でした。 やっぱりこういう曲やらすとうまいです、OMPは。今回 最も一般のお客さんに拒絶反応を起こされそうなのはこの曲 だと思うのですが、みんな一番夢中で聴いてましたもの。 ただ、私の感覚では、3曲目がやや長く感じましたが、 それは曲のせいでしょう(無礼ですみません(^^;でも長いものは長い) OMPは得手不得手がはっきりした合唱団である、とは、 昔から私が感じていたことですが、その印象は今回 演奏会を聴いても変わりませんでした。 得手不得手がない合唱団なんてめったにないですが、OMPの 場合、得手の完成度が高いので、よけい差が目立ちます。 以前からから!さんが「音がうねる感じ」と書いていらっしゃい ましたが確かに、うねって聞こえてくる曲とそうでない曲とでは 引きこまれ方が違います。こういうことなんでしょうか。 だけど誤解しないでいただきたいのは、それが悪いといいたい のではなく、そこがきっとOMPの大事な個性なんです。 私だけでなく大部分のお客さんもきっと、それを楽しみに また聴きに来るんだと思います。 今回の曲目を、真ん中に線を引いて右が得手、左が不得手、で 分けるとすると、右には2ステのブストと4ステの 「ハミングバード」が入り、1ステのビクトリアは左側の ど真ん中を占めます。 で、3ステの「バラード」が、私の感覚ではちょうど 線の上に来ちゃうんですね。 これも演奏としては悪くない、技術面では完成に近い仕上がり、 だと思うのですが、なんか、もう少し色のある面白い演奏ができ そうな気がします。どうしてそう思っちゃうか、うまく説明 できないけど。 ココ
編集:唐澤 清彦 | コンサート・レポート |