OMPコンサート・レポート Tokyo Choir OMP

合唱団OMP第16回定期演奏会

1998.11.15(日) すみだトリフォニーホール

■プログラム
合唱団OMP第16回定期演奏会
会場:すみだトリフォニーホール(大ホール)
日時:11/15(日)14:00-

出演:指揮:栗山文昭(1,3,4),宮澤 彰(2)
   三宅榛名(4)ピアノ、ハルモニウム

曲目:1. 三善 晃/混声合唱のための 地球へのバラード
   2. J.Tavener/The Lamb,Funeral Ikos,The Tyger
   3. J.S.Bach/Jesu,meine Freude BWV227
   4. 三宅榛名/バラード 混声合唱とピアノ+αのための

   アンコール 島唄

■レポート/感想

第16回定期演奏会アンケートから


<BIGLOBE PC-VAN SIG『クラシックコンサートホール』大ホール#9088(98/11/15)より> ★タイトル (ESJ58203) 98/11/15 20:19 ( 93) 演奏会>合唱団OMP第16回定期演奏会  ブー ★内容  まずは、お礼。座席のわがままを言ったら、そのとおりの席を用意していた だきましてm(__)m。  今回は、劇的要素のない純粋演奏会形式ともいうべきステージで、声だけを 堪能した。しかも、最後のステージにちょっとピアノが入るだけで、ほぼ全ス テージ無伴奏といってよい構成。リストランテでペペロンチーノを出してもら ったようなもの。  まず、三善晃。男声の曲では「王孫不帰」(こんな字だったかな)という、 えらい難しい曲があって、法政のアリオンがやったのを昔聴いたことがあった。 あと、今年の4月の都響だったかで、ヴァイオリン協奏曲が演奏されたことが あった。それらの曲と比べると、今日歌われた曲は実に聴きやすい。  ともかく日本語がきれいにきこえる。往々にして、声を当てることだけに精 一杯で、何を歌っているのか判らないようなケースがあるが、OMPの合唱は、 言葉がよく聞こえていた。あと、いつも感じることであるが、弱い音が非常に 美しい。フォルテをワーっと鳴らすのは、そう難しくない。ピアノを持続する (しかも各パートのバランスを維持しながら)というのは、至難の業である。 第一ステージからこれだけ良い演奏が出てくるとは...。  第二ステージは、最近CDとかがぽつぽつ出てきているジョン・タヴナー。 最初にこの名前を聞いたとき、「え?タヴァーナーじゃないの?」と思った。 チューダー朝の作曲家にJohn Taverner という作曲家がいる。こっちは随分歌 ったことがあったが...。  最初の2曲は、グレゴリオ聖歌を思わせるような単旋律の部分と、多声部の 部分とが交互に出てくる。この単旋律の部分がまた美しい。指揮者の振り方が 曲想にしてはちょっと動きが大きすぎるように感じられた部分があって若干気 にはなったが、目を閉じてしまえばそれも消えてしまう。  バッハは、コラールのところは、重過ぎず、非常に心地よい響きであった。 フーガの速いところで、ところどころ、ぼやけるところや響きが軽すぎるとこ ろもあったが...。マタイ受難曲で栗友会を起用するところがでてこないだ ろうかと思わせる出来であった。リゲティのレクイエムの次、NJPの定期で やってくれないだろうか。  三宅榛名のバラードは、委嘱初演ということや作曲者自身がピアノを務める というところで楽しみにしていたが、正直に言って、よく判らないうちに終わ ってしまったという感じ。富士通のデスクパワーの宣伝で聴きなれていた三宅 さんのピアノを聴けたのはよかったが...。  アンコールは、島唄。なかなか面白い編曲で楽しませてくれた。  シアターピース系も良いけれど、こういう、曲をじっくりと聴かせてくれる ステージ構成は、合唱好きにとっては実にいい。プログラムもバラエティに富 んでいるし...。また、今回のように、1ステージは、古いものをとりあげ てくれると、すごくうれしい。人数の関係もあるが、モンテヴェルディとか、 シュッツとか、ヴィクトリアとかパレストリーナとかも聴いてみたい。それに、 タヴナーの単旋律があんなにきれいに歌えるのだから、グレゴリオ聖歌と組み 合わせてもいいだろうし...。  運営では、余計な会場アナウンスが全く入らなかったのがすごくよかった。 なぜか知らないけれど、合唱のコンサートに行くと、「本日の第○ステージは ...」とか、余計なアナウンスがやたら入る。プログラム見れば書いてある ことアナウンスするなよって思うのだが、今回はそういうのが全くなくて、気 持ちよかった。  あとは、関係者以外にも、もっと聴いて欲しいですね。団員と無関係にプレ イガイドでチケット買ってくるお客さんがもっと増えると、客席の雰囲気がも っと張り詰めたものになって、更に充実したコンサートになるのではないかと 思うのですが...。これは、団側よりも、むしろ聴衆である我々が口コミで 広げるほうが良いんでしょうね。「朝比奈先生のベートーヴェンチクルスで第 9を歌った合唱団」とか「石丸さんのドイツレクイエム歌った合唱団」とかっ ていうふうに。  お土産に96年の定期演奏会のヴィデオ(人見記念講堂)を購入(^o^)。 Λ  Λ (^Θ^) PC-VAN: ESJ58203   ブー ======================= 1998-11-15 (Sun) 19:15:55 ====================
<BIGLOBE PC-VAN SIG『クラシックコンサートホール』大ホール#9097(98/11/19)より> ★タイトル (GXH73005) 98/11/19 23: 3 ( 21) 演奏会>合唱団OMP第16回定期演奏会  怪鳥 ★内容 OMPの演奏会を聴いてきました。究生さん、ココさん、ちゃむさん、夢幻さん そしてまだボードに未登場のイトーさん、お疲れさまでした。 いつもながら充実した演奏会でした。 第1ステージから栗山先生とOMPならではの三善 晃を聴かせてもらいました。 うまく表現できないし、的外れかもしれませんが、栗山先生の指揮にはいつも「抑 制」とか「粘り」を感じます。それによってハーモニーが強調されて「OMPの三 善」を特徴付けているように思います。 第2ステージのタヴナーは初めて聴きましたが、現代作品でありながら古典的なも のを感じて大変に興味深いものがありました。宮沢さんの指揮でまた別のOMPを 発見したような気がします。 第3ステージのバッハ。とても美しくまとまっていて良い演奏でした。でも、この ステージを聴きながら、OMPのキャラクターは現代作品でより一層真価を発揮す るように感じたのは私だけでしょうか。 第4ステージは三宅榛名の新作。最近の作品によく見られる、言葉の断片のみの合 唱ですが、その合間を繋ぐオーソドックスな美しいメロディーのピアノとの対比が 面白く、またOMPの面目躍如とした演奏を大いに堪能しました。 アカペラ3ステージ、演出を含まない演奏ということで結果としてOMPの特徴を 良く表した演奏会だったように思います。                                怪鳥

合唱団OMP第16回定期演奏会

唐澤 1. 三善 晃/混声合唱のための 地球へのバラード  文句無しに楽しかったです。  ちょっと気が付いたのは、今まで演奏回数の多いであろうと思われる曲が やはり、そうでない曲より断然生き生きしていました。聴いて楽しい曲ほど 取り上げる回数が多いのだろうとも思うので、純粋に経験量だけとは言えません が、せっかくだから、どの曲も平均に仕上がると良かったと思います。 2. J.Tavener/The Lamb,Funeral Ikos,The Tyger  曲は「現代音楽としての主張」はあまり無くて「ふわふわと綺麗な曲」などと 言ってしまうと話が終わってしまうのですがしかし、綺麗な演奏だったと思いま す。  こういうのを聴いていると、現代音楽としてこういう柔らかい音楽が供給され ることも悪いことじゃないな…と思えるのが不思議です。  もっとも三曲目の"The Tyger"では、劇的なそぶりもあって、こういう曲をや ると、OMPらしいドラマチックな仕上がりを感じることが出来ますね。 3. J.S.Bach/Jesu,meine Freude BWV227  この曲は少し前にも同じくOMPの演奏で聴きましたが、今回の方がまとまりの 良い響きだったと思います。  「音楽に打たれる」なんてほど激しくはないものの「手応えのある演奏だ」 とは言える。というような演奏でした。 4. 三宅榛名/バラード 混声合唱とピアノ+αのための  なかなか変な曲でしたが、最後のハーモニウムの音がす〜と消えていく終わり 方が、妙に印象的でした。  現代音楽というジャンルの中にこの曲を置くと、耳なじみの良いメロディーと 抽象的な響きが錯綜するという作りは、素材の選び方が三宅流であるとしても、 やや古典的な部類になってしまい、新鮮さ、印象における強度の点でもう一つの 感もありますが、なんだかもう一度聴いて確かめてみたい気持を起こされたのは、 この作品に何かがあったのかも知れません。  作品と合唱団の相性としては、もっと強い響きの作品の方がOMPのイメージが すると思います。器用な役者の揃った小編成の合唱団向けの曲なのかも知れま せん。 アンコール 島唄  会場になにやら、めちゃくちゃ受けていましたね。  ソリストの役者ぶりと、合唱団の巧さがよくかみ合って曲の持ち味を引き出し ていたと思います。おかげでなんだかさわやかな演奏会になりました。  演奏会を通して聴いて一番気に入ったステージは、三善晃。  組曲のそれぞれの曲の仕上がりの粒がもっと揃えば、完璧だったでしょう。  次はTavener、バッハと三宅榛名は比較できない(^^;  演奏会の構成として、やっぱりトリの曲にクライマックスを期待するところ ですが、三宅榛名の曲は「軽み」で聴かせるような曲だったために、梯子を外さ れたような気分がしたのが、残念といえば残念です。三善晃をトリに持ってきた らこの演奏会の印象もだいぶ変わったかも。                                 唐澤 おまけ、のp.s.  怪鳥さんが"栗山先生の指揮にはいつも「抑制」とか「粘り」を感じます。"  と言われるのは、私も同感です。  こういう指揮に合唱団が完璧に付いていったとき、ジェットコースターの 急カーブで強烈な遠心力を感じるような、うねりとほとばしりを感じることが 出来ると思います。  反面、それが上手くいかないと、重い足かせを付けてドロドロと息苦しい音楽 になってしまう可能性があります。  おだてて乗せるとか、自然にわいて出る音楽に方向付けをして前に飛ばすとか、 そういうタイプの指揮者ではない。  合唱団を「固い金属の束」だとすれば、それを力を込めてねじ込み、彫刻して いくような所に、OMPと栗山の美質があると思います。  もしも、強さのない素材を同じように扱ったら、美しく張りつめたような曲線 は現れず、何か歪んだものが出来てしまうと思いますし、強い素材を中途半端 な力で扱えば、ツンツンとばらけた物になってしまう。  つまり、互いの力関係のバランスが取れていないと、美しい音楽にはならない のではないかと思います。  演奏会を見渡してみれば、力と力の手法が威力を発揮する曲も有れば、優しく 軽やかに扱わなければいけない音楽もある。そうした扱い方を切り替える器用さ は不足しているかも知れないと感じることもあります。  三宅榛名の曲なんかは、その例だったかも知れません。

団員高田憲一の収集した大勢さんの感想

「しし座のソプラノ歌手」さん

 早々とメールをいただき、ありがとうございました。昨日は、大変お疲れさまでし
た。当然のことでしょうが、やはり、とてもうまかったです。これこそが、合唱なの
ですね。いろいろな意味で、大変勉強になり、また、刺激になりました。なかでも、
4ステの委嘱ものは、絶妙でした。(大評判でしたでしょう!)OMPのみなさんの
、あの、達人的なうたと、不思議な楽器ハルモニウムとの調和により、なにか、異次
空間的な気分にさせられ、
そして、そのあとに感動の波が一気におしよせてきて・・・とにかく良かったです!
 お目あてのBachは、わたしのもっているイメージが強すぎて、あまり冷静に聴
くことができなかったせいもありますが、後半やや乱れもあり、いまひとつ?
Bachは、難しいですね・・・でも、だいすき!!
うちの団でも是非いつかは・・・なーんてね。
あれだけの人数と実力があれば、ダブルものもできますね。モテットの5番「Kom
m,Jesu,komm」なんていかがでしょう。リクエストさせていただきます。
 いろいろナマイキですいません。お気にさわったらごめんなさい。でも、ほんとう
にすてきな演奏会でした。今後とも、どうぞご活躍くくださいませ。

p/s  男声のうたっている時の表情が、とても好感がもてました。本当に心から
     歌っていらっしゃるようで・・・女声も美しくてとてもよいのですが、美
     しすぎて、ちょっと怖いかたも・・・・。(ここだけのはなしですヨ!)

遠藤 聡恵さん 演奏会、お疲れさまでした。 なんだか、すごく濃い演奏会じゃなかったですか?  1stから「地球へのバラード」ではさぞパワー配分が・・・(^^;;; 1stは、さすがに笠懸よりずっと練れていたように思いました。 今だから言うけど、笠懸では「ああ〜やっぱり難しい曲なのね〜」という感じでしたも ん。さすがOMPだと感心しましたよ。 宮澤さんのステージは、宮澤さんばかり見てましたので・・・。 バッハは、笠懸では抜粋だったのであまり気にならなかったのですが、ちょっと崩れた ような気もしました。 ジンガメルも先日初めてビクトリアを通しました。 本当に持続力の維持は大変ですよね。いくら長くてもメサイヤの時はそんなに疲れませ んでした。だって、オケがやってる時は休めるし。 ジンガメルも頑張らなくては。 ただ、とてもあたたかい演奏で嬉しかったです。 先日この曲が NHK FM で流れてて、きれいにまとまり過ぎててつまらなかったので、な んだこれじゃOMPのほうか上手いよ、と思いました。  そして、その期待は今回も裏切られませんでしたね。   最後の三宅さんの委嘱は、彼女の性格がよく出てるなあ、と思いました。 一言でいうと、おもしろい曲。あの楽器は本人の持ち込みなのですか? いろんなバリエーションでも聴いてみたいです。 ホールのせいか、団員と客との距離が狭くなったような気がします。 栗さんが最近、室内楽的に作っているせいもあるかな? 以上、当日のアンケートとほとんど重なってしまいますが、私の感想です。 私は何にもわかっちゃいない人なので、的外れなこと書いてたらごめんなさい。
小池美穂さん 昨日は素敵な演奏会ありがとうございました。 さすがに何度も演奏会を重ねた!って感じで、 なんというのでしょうか。。落ち着いた、とても素敵な演奏でした。 こころあたたまりました。1stから、なんだかジ−−−ンとあついものが。 個人的には、ここ何年間かの演奏会で私は一番好きな演奏会でした。 とにかく、歌がうまい!! なんだかとてもうれしかったです。 やっぱり、練習の積み重ねって大切だな。ってしみじみ思いました。
藤田 敏弘さん 本日は定期演奏会、大変お疲れ様でした。 初めてOMPの演奏を聞かせて戴きましたが、 完成度の高い演奏に大変驚きました。 何であんなにうまいんだろう、というのが率直な感想です。 女声は正確に歌うし 男声はしっかり支えていて、安心して聞ける演奏でした。 さすが、数多くレコーディングをこなすだけの事があると感心致しました。 観客数もかなり多かったのではないでしょうか。 あの立派なホールを一つの団だけで あそこまで観客を動員してしまう事ができる所って、 そうありませんよね。 久しぶりにうまい演奏を聞く事ができ、 大変いい思いをさせて戴きました。 パンフを拝見したところ、 近々またレコーディングがあるのですね。 販売はいつ頃になるのでしょうか? 地球へのバラードは私も学生の時に演奏した事があるので、 発売されたら是非購入したいと思います。 それでは、イベントが続いて大変だと思いますが、 頑張って下さい。
小清水さん 「地バラ」懐かしかったです。涙出ました。 「Tavener」とっても良かったです。円熟の宮沢氏!。 「Bach」レトロ時代のOMPは苦手でしたのに・・・ 「バラード」私にはちょっと難解な部分もありました。 全体的に私はこのスタイルの演奏会好きです。 サントリーの前の年に童画をやった時みたいに、 どのステージも充実してて。 私が最後に乗った定演は6回でした。もう10年経つんですね! もともとBalladって何だっけ?というところに立ち返って、 家に帰って調べたりなんだりしました。 う〜ん、調べてから行けば良かった!イメージが変わったかもしれない。 「地バラ」録音も頑張ってください。
ぼわーんさん 本日行われました、OMPの定期公演を聞きにいってまいりました。 まず会場の広さと新しさに驚かされ、そして演奏のすばらしさに感動し、とても すばらしい一日でした。 さすが、すばらしく完成度の高い音楽で、聴いていて気持ちがよかったのを思え ています。 わざわざチケットを送っていただき、本当にありがとうございました。 こういう演奏を聞くと、また合唱を始めたくなります。
田近さん 演奏会ご苦労様でした.久しぶりにOMPの演奏をじっくり聴かせていただきまし た.会場のせいか響きがいまいちだったような気もしましたが,さすがに立派 な演奏だったと思います.以下,簡単な感想を書きます. 第1ステージ: 11年前の演奏よりもずっと繊細なつくりで,抑制の効いた理知的 な演奏でした.最初のステージのせいか心持ちピッチが悪いところが気になり ましたが,一方でピッチのそろった時の響きは素晴らしかったです. 但し、 女声の鼻濁音が汚かったのが少々心残り.しかし,第1曲目の冒頭 のピアニシモを辛抱強く持続し,最終曲の最終音の頂点へ向けて延々と盛り上 げて行くという,壮大な構成力を持った演奏でした.とにかくデリケートな作 りが素晴らしかったです. 第2ステージ: タヴァーナーをこんな大人数で演奏する機会はあまりないので はないかと思われますが,意外と違和感を感じませんでした.が,何だか発音 がぎこちなかった.演奏はとても美しく,文句をつける必要はないのですが, 一方で何か物足りない気がしました. 第3ステージ: 第一声の音から惹きつけられる,大変美しいバッハでした(つ まり第一声から第2ステージと明らかに違うのです,これもいつも感じること なのですが).しかし,ちょと美しすぎるかも.ところどころピッチが悪くな ることがあり,バッハにはちょっと致命的か.やはりバッハは難しいことを実 感させられます.良くも悪くも,OMP色が濃く出ていました.しかし,以前の 演奏と比べると,今回は大健闘だったと思います.細部のつくりも全体の構成 もしっかりしており,とても興味深く聞かせていただきました. 第4ステージ: この曲は斬新で非常におもしろかったです.演奏もばっちりで, OMPの本領が発揮された,今回一番のステージだと思います.最終ステージと いうことでリラックスして演奏していたのか,音程も結構良いし,声も出てい たし,(実は,例によって,曲の完成は直前で,冷汗もののステージだったの かも知れませんが)聴いていて妙に安心感がありました. また,時折挿入さ れるピアノは,何となくシューマンぽくもあり,新鮮な印象を与えていました. このステージはとても良かったと思います. アンコール: 第4ステージは非常に良かったものの,これで終わるというのは 愛想のない演奏会だと思っていたいたところ,何とアンコール! それも今回の 演奏会プログラムを考えると絶妙の選曲.あまりに意表をつかれ,唖然として 口を開けたまま聴いていました.画期的な編曲で,これによって会場の空気は 一変し,最後は大きな暖かい拍手につつまれたのが演奏者の側にもお分かりに なったと思います.このアンコールのあるなしでは,演奏会の印象が相当変わ ったように思います.その意味では,結果的に,このアンコールは今回の演奏 会においてもっとも重要な意味を持つことになったような気さえしました. 栗さん,狙ってたな! という感じ. 久しぶりにじっくり演奏会を聴かせていただいて,OMPの演奏は明らかに変貌 を遂げたような印象を受けました.総じて冷静で抑制の効いた,いわゆる年期 の入った演奏だったように思います.野球で言えば引退した落合のような,ベ テランの味というか,スピードやパワーではなく技で勝負,という感じの演奏 だったような気がします.しかし,その意味では,同時に一抹の不安も感じさ せました.ひょっとしてOMPはピークを過ぎてしまったのかも... いやいや, まさか...ねえ... たぶん,私の気のせいでしょう.どうぞ気にしないで下さい. いずれにしても昨日は大変楽しませていただきました.今後も,ますます円熟 味を増した演奏を期待しております.どうも本当におつかれ様でした.
Sさん OMPの演奏会にしては何だかちょっと地味だったかな、というのが正直なところです 。 つまり私は派手な演奏しか聞いてないということですね。 全体で一番私が「好きだな」と思ったのは三宅さんの委嘱曲です。音もきれいに鳴っ ていたし、ハルモニウム(?)との相性も抜群でした。ピアノとの掛け合いも絶妙だ ったと思います。とてもリラックスして聞くことができました。 バッハはカンタートの時の演奏が衝撃的過ぎたせいか、物足りないと感じました。も っとほとばしる何者かがあったように思うんです。期待が大きすぎたのかなあ・・・ あ、「夕暮れ」で和音が崩壊しちゃったのは一体どうなさったのでしょう。ドキドキ しましたよ。でも、日本語の聴かせ方は全く素晴らしいです。感動します。 アンコールはとても緊張しました(というのは変ですか) 丸くんがソロを取ったのは「こぶし」の回し具合のためですね。まこりん様を差し置 くなんて・・・ もっとも丸くんも、声が荒れまくっていましたし、しかもアンコールですから第一声 が出てくるまで「声出るのかな」と心配してました。 若林千春さんの編曲も面白かったです。アンコールで新進の作曲家の曲を使うなんて さすが栗山先生! と思ってしまいました。 こんなとこでしょうか。勝手なことを書かせていただきました。ごめんなさい。
MIKI MOCHIZUKI 98/11/18 20:26 もちづきです 私の友人達の感想がきましたので ご紹介します。 ま、これを他のOMPの皆さんにどうするかはお任せします。 (T氏) 全般的な感想としては、やはり「レベルが高いなあ」という感じが強かったです。 3階でも、バスのパートの声がしっかりと響いて来ましたし、「アンサンブル」も見 事でした。 曲ごとの寸評(?)は以下のとおりです。 ・地球へのバラード:(遅れたもので廊下で聞きましたが) ハーモニーの見事さと曲を知っている気安さから一番楽しめました。 ・J.Tavener3曲:最後のThe Tygerが迫力をもって聴けました。 大袈裟に言えば、「渦巻くような情念が出ていた」感じがします。 ・J.BACH曲:やはり一番とっつきにくくって困りました。 ハーモニーの綺麗さは分かるものの、 意味が頭に入りにくくボーっと聴いていました。 ・三宅さんのバラード:正直に言って、曲そのものが物足りない感じがしました。 (自分の音楽的能力のことは棚に上げて、勝手な話です。) 「バラード」というタイトルに先入観をもってしまったせいもあるので すが、 もっと朗々と歌って欲しかったと思います。 でも、試みとしては面白いものだと思います。 もっと耳が馴れてくれば、良さが分かってくるでしょう。 欲を言えば、プログラムに歌詞の断片でいいからのせて欲しかったとも 思いました。 なにしろ「どういう言葉がちりばめられているのか」ほとんど聞き取れ なかったので・・・。 ゴチャゴチャなりに活字があれば、もう少し聴きやすくなったのではな いかと考えました。 (K嬢) 繊細さが私はけっこう、感動しちゃいました。 OMPはこういう歌い方もするんだぁ〜って。 なんだかいろんな意見があるみたいだけど、 実は私、すごく、心に染みてしまった演奏会でした。 特に、地バラ。 バッハのグッドナイトもじじじじじじじーーーんだったわ。 (G嬢) 感想ですが、残念ながら「地球へのバラード」が 中で聞けなかったのでこれは省略。 #でも、実はこれが一番聞きたかったんです。ほんと残念。 宮沢さんのステージはOMPにあった選曲でよかったです。 OMPが古い曲を演奏するとすごく斬新な感じがするんですが バッハはちょっともてあましているというか 迷いというかが感じられました。 三宅さんの曲、おもしろかったですね。 コンクールに出ていた頃を思い出しました。 しかし私はアンコールが一番気に入りました。:) 編曲もすごくよかったと思います。 ソロもまさに適材適所でよかったですねー 全体的に力が抜けていて、すごくリラックスした感じで 歌っていて、好感がもてました。よかったです。 コンクールの気合の入った感じもそれはそれで好きでしたけどね。
07903/07903 BXG04725 まるじゅん OMP演奏会感想 ( 1) 98/11/16 12:20 07901へのコメント OMPの演奏会に行ってまいりました。 ____________________________________ 合唱団OMP 第16回定期演奏会 日時 平成10年11月15日(日)14:00開演 会場 すみだトリフォニーホール 座席は1階の通路の直後のど真ん中。VIP席が横流しされたのではないか?とい うウワサも(^^;)ただ結果から言ってしまうと、響きがあまり来ないけっこうアラ の目立つ席のようです。 1 混声合唱のための地球へのバラード 詩:谷川俊太郎 曲:三善晃 指揮:栗山文昭 何でこれが第1ステージなの?という感じですが(^^;)最初ということでさっぱり 味に仕立てていたようです。こういう演奏もいいなと思いながら聴いていました。 ただもっとキッパリしたハーモニーが聞こえてもいいのでは?と感じました。音程 が悪いというより、母音が鳴りきっていないので、ハーモニーとして溶け合わない というか。どうもホールのせい/席のせいも有った感じです。 2 The Lamb/Funeral Ikos/The Tyger J.Tavener曲 指揮:宮澤彰 私がOMPのコンサ−トに行く楽しみの1番は宮澤さんのステージです(断言)。 60数人でタヴナーというのも、特に東方聖歌のユニゾンの部分などは、まとまり と音楽の動きを両立させるのは難しいと思うのですが、見事に歌いきっていまし た。全般に「ゆっくりきれい」なので、落ち着いて響く声で歌えていたとも思いま すが、The Tygerの激しい部分でちょっと地球へのバラードであげたような難がで てしまったのが残念といえば残念。 3 Jesu,meine Freude BWV227 J.S.Bach 指揮:栗山文昭 正直前半は「どうしたんだ・・・」と思いました。ポイントになる単語を歌う、その 意識が強くて、却って音楽の流れが滞ってしまっているように思いました。ポリ フォニックな部分もそろわず、意気込みがすぎてコントロールが効かなくなってい るのでは?と心配になってしまいました。 ところが、Trotzで上手く音楽と歌い手の意識がピタっとはまると、その後はとても 安心できる、かつ表情も豊かな演奏になりました(Gute Nachtで本当に寝そうに なった^^;)。終わってみれば「さすが」の演奏でした。 4 バラード 混声合唱とピアノ+αのための(委嘱初演) 三宅榛名曲 指揮:栗山文昭 ピアノ+α:三宅榛名 歌は、言葉を1〜数音節に分解し、各パートに散らすという現代的な書法。ただ長 めの音が与えられており、不協和な音は余り使われていないので、全体として優美 にメロディアスに聞こえます。旋律が静かに波打ち団の中をたゆたっている、とい う立体的な効果。これがほぼ無伴奏。 ピアノは間奏として入るだけ(多少歌の前後にかぶさりますが)これがまたピアノ の教則本にあるようなクラシカルな節(ああ、ピアノに詳しければすぐに「これは だれそれ風」と言えるのに^^;)。 この両者、不調和といえば始めのうちはあまりに不調和なのですが、音楽が進むに 連れてお互いが寄り添っていく。いや、音楽の基本型は変わっていないのに、聴い ている耳がだんだん二つの間に調和・融合を見出していくような感じです。なんと も不思議不思議・・・・ さて『+α』ですが、楽器名はなんというのでしょう>夢幻さん。幅が60cm、 高さと奥行きがその半分くらいの箱型のオルガン。その箱がステージ場にポン、と 置かれていて、三宅さんがおもむろにその前に座り込んで、板の間に蛇腹を張った だけのふいごを左手で動かし。右手で鍵盤を叩く。ふいごの送るゆらぎのある空気 の流れ、そこから生み出される音は、歌の息使いに融けていき、やがて歌が消え、 ふいごは最後の息を静かに吐き、沈黙。 アンコールは若林千春編の「島唄」 1から4まで、この4つを並べる、というのもなんとも贅沢・欲張りで、聴き手と しては疲れはしますが、大変トクした気分です(まあゆうかほどの気疲れではな かったですが)。歌い手も・・・きっとお疲れとは思いますが、歌い終わって気分 よかったのではないかと思います。夢幻さん、どうもご苦労さまでした。
APPIEさん 1ステ(地球へのバラード)はロビーで聞いてました.「鳥」のナレーション ははっきり言って×でした.んなこと,んなでかい声で自信もって語る必要な いでしょう.朗読大会じゃないんだから.もっと枯れた語りを演出する案はな かったの? 2ステ(Tavener曲集).perfect.あんまりいじりようがないんじゃないか な.テクニックですべて聴かされてしまいました.10年前のOMPだったら, The Tyger あたりは,もっとばりばりならして,かえって汚くなっていたんじ ゃないかな.荒々しく歌いたい欲求と,静謐さへの祈りと,そのへんのアンバ ランスが良かったのかな,いうことなしです. 3ステのバッハ(Jesu, meine Freude).これは大変な名演でした.かつて OMPが個性として持っていて,ぼくとしても少しー期待していたちょっと荒れ た(wildな)感じが全くありませんでした.冷静に仕上げれば仕上げるほど, OMPらしさが消えていって,バッハになってゆくんだな.OMPのステージではな くてバッハのステージでした.これもいうことなし.客席で涙をながしており ました.ああ恥ずかしい,がしょうがない. 4ステ(バラード 混声合唱とピアノ+αのための).三宅先生は写真で見る と怖いおねいさんみたいなのに,ステージや打ち上げでの様子はなんだかとて もすてきなおじょうさんでした.どきどき,してしまいました.でも,曲は大 して面白くなかったな.ああ,ごめんなさいごめんなさい.打ち上げでCD買っ たし,許して. >あのピアノの間奏はなんと言えば良いのだろうか? >「どこかで聴いたような・・・」というようなメロディなんですけどね。 あのピアノは安っぽいワルツだよね.短いパッセージを何回か繰り返して, 「ふんっっ!」てな勢いでそのつど弾き収めていらっしゃいました.収拾のつ かない断片的な合唱と,ピアノの余韻が調和してまた分かれて行くようでした が,そこからあんまり遠くに行きませんでした.ハルモニウムの音にはそうと うびっくりしたから,そっからまた何か始まるのかも.再演期待してますが, 同じ内容ではありませんように. アンコールはあってもなくても良し.
98/12/02(水) 11:38 高田 憲一(mugen.takada@nifty.ne.jp)

OMP演奏会が終わって(Sop.川嶋)

突然で恐縮ですが、演奏会の反省などを急にしたくなったので
書かせていただきます。
その前に、聴きに来てくださった皆様がもしこれを読んでいらしたら、
どうもありがとうございました。

曲目…1ST:三善晃/地球へのバラード
   2ST:J.Tavener/The Lamb,Funeral Ikos,The Tyger
   3ST:J.S.Bach/Jesu,meine Freude
   4ST:三宅榛名/バラード 混声合唱とピアノ+αのための

○1ST
どうしてこの曲が1ステなんだろう、と素朴な疑問を持った方が
たくさんいたらしいのですが、曲順を聞いたときは私達も
そう思いました。よ〜く考えると、この演目では何を頭に持ってきても
大変なことにはかわりないので、そんなに深くは考えなかったのですが(^^;

古い団員は過去に一度レコーディングまでしているし、最近もちょくちょく
抜粋で歌ったりしてるので、団とこの曲のお付き合いは相当長いものに
なっています。今回取り上げる曲の中ではもちろん、ひょっとすると
全部のレパートリーの中でも、一番思い入れの強い曲になっているかも
しれません。この曲の練習のときには、私達も栗山先生も、
他の曲よりもなんとなく生き生きしていたように思います。

私も初めてCDを聴いた学生時代(そういえば演奏はOMPだった…)
から好きな曲だったので、今回全曲が歌えることになったのは
本当にうれしいことでした。だけど、練習で歌っていると、
CDで聞き覚えのある歌い方がまわりから生で聞こえてくるというのは
なんとなく妙な感じのするものです(^^;;いや〜、みんな、
体で覚えているのねえ。
しかし、人間の記憶力にもやはり限界はあるようで、体で覚えて
歌っている人が、楽譜どおりに歌っているとは限らないということが
だんだんわかってきたので、あまり無条件に感心しないことにしました。

5曲からなる組曲なのですが、私は1曲目「私が歌う理由」が好きです。
どうして自分は歌っているのだろう、って、改めて考えるとうまく
ことばにならないし、この詞(谷川俊太郎)で歌う理由としてあげられている
どれも、自分の理由と同じような気もするけど、少し違うような気もする、
なんだかちょっともどかしいような気分で、いつも歌っています。
5曲目の「地球へのピクニック」も好きなのですが、これは詞と曲に乗せられて
しまうので…「ここ(=地球)で(一緒に)〜をしよう」という呼び掛けが
何度も繰り返されて気分が盛り上がってくるのに加えて、音楽もf4つまで
これでもかというほど盛り上がってしまうので、つい(^^;;

というわけで、本番ではやっぱり終曲で力一杯盛り上がってしまって
終わったのでしたが、それでも最初のステージだというので、わりと
セーブしちゃった部分もあったようです。それがやや残念です。

○2ST
初めて歌う作曲家で、現代の人。確かに、たまに音が斬新な動きをして
歌うほうは困るのですが、全体的には、すらっと入ってきやすい美しい
響きを持った曲でした。特に2曲目は、お葬式の祈りのことばをそのまま
使ったもので、言葉が多くて苦労しましたが(しかも英語だし)
音楽は清らかに高揚していく感じで、歌うと本当に幸せになりました。
…しかし、男声と女声に別れて歌うところが多くて、ついひそかに
対抗意識なんかも燃やすことも(^^;;
ちなみに、このステージでは、わりと大きめな”事故”があって、
けっこう動揺が走っていたらしいのですが、なぜか私は少しも
気づかず、幸せに歌っていました(^^;;;

○3ST
バッハのとても有名な曲だというのは、さすがにバッハにうとい私でも
知っていました。同時に、OMPで歌ったらどうなるんだろう、と
やや心配になったことも確かです。OMPというと日本語の現代音楽、と
いうイメージが私の中にも非常に強かったし、世間の人たちもそう
らしくて、出演依頼はたいてい超現代音楽だし。

始めてみたら、やっぱり道は険しくて、相当長期間練習したのに
納得のいく歌い方が見つかりません。声とか発音とか、技術的な
面でも慣れない感じの歌い方をしているのですが、それよりも
音楽の持っていき方とかのもっと本質的な部分で、これだという
ものがつかみ切れていない感じが、最後まで抜けませんでした。
最初にステージで歌った5月に、「バッハらしくない」
とか「まとまりがない」とかいう評価ばかりだったためか、
団全体が苦手意識に取りつかれていたような気もします。

私ももちろんその中の一人で、苦手意識の固まりのように
なっていたのですが、考えていたのが「バッハらしくない演奏=
よくない演奏なのだろうか」ということでした。
らしい演奏がどういう演奏か、なんとなく想像はつくのですが、
らしい演奏を必ずしなければならないのかなあ、らしくない演奏で
あっても、お客さんが共感してくれて、自分たちも納得がいく
よい演奏っていうのは、ありえないのだろうか、と。バッハらしい
演奏という、誰が決めたかわからない硬くて大きいものにはめ込まれる
よりは、そっちの可能性にかけたほうが面白いなあ…と、まあ
こうして書いてみるとずいぶん大それたことを考えていたのかも。

結局この曲は、抜粋も含めて4回本番で歌ったのですが、最後の
定演での演奏で、ようやく自分たちには納得のいく流れで歌えた
ような気がします。いただいた感想の中には、やっぱり
「バッハらしくない」というのがあったけど、よいといってくださった
方もいらっしゃったし。
それと、この曲が一番、技術面での自分の未熟さを教えてくれました。
がんばろう。

○4ST
三宅さんはOMPで取り上げるのは初めてですが、妹の合唱団が
お世話になっているので、曲は何度か聴いていました。どんな
曲が出来てくるのだろう、と思っていたら、ちょっと古風な感じの
さらっとした曲が。なんとなく、母親の洋服ダンスから出てきた
スカート丈の長いワンピース、って感じで、そういう服が、すてきだ
と思ってもなかなか着こなせないのと同じように、おしゃれに
軽やかに歌いこなせるようになるのは、難しいです。
やっぱり本番が一番よかった気がするのですが、機会があったら
ぜひリターンマッチをしたいなあ…

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編集:唐澤 清彦 コンサート・レポート