OMPコンサート・レポート

朝比奈&新日本フィル&栗友会の第九

1998.6.4 サントリーホール

■プログラム
朝比奈隆&新日本フィル ベートーヴェン・チクルス5

日時:平成10年6月4日(木)午後7時〜
場所:サントリーホール
出演:豊田喜代美(ソプラノ)
   秋葉京子(メゾ・ソプラノ)
   若本明志(テノール)
   多田羅迪夫(バリトン)
   栗友会合唱団(合唱)/栗山文昭(合唱指揮)
   新日本フィルハーモニー交響楽団(管弦楽)
   朝比奈隆(指揮)
曲目:ベートーヴェン/交響曲第9番 ニ短調 作品125「合唱付」

■レポート/感想
<BIGLOBE PC-VAN SIG『クラシックコンサートホール』より> #8745/8784 大ホール ★タイトル (ESJ58203) 98/ 6/ 5 0:41 (112) 演奏会>朝比奈&NJPベートーヴェンチクルス5 ブー ★内容  思いおこせば、今から1年前。昨年の五月のことだった。指が折れんばかり にリダイヤルを繰り返し、やっとのことで全公演のチケットを確保したのだっ た。そのときは、チクルスの最後が1年先とは、ずいぶん先の話だなぁと思っ ていた。  溜池山王の駅を出て、全日空ホテルのベデストリアン・デッキを歩く。リニ ューアルされたカスケイドで、新日本フィルのメンバーが食事をしているのが 見えた。  チクルスの第1回が昨年の九月末。開場の時刻には、すでに闇が覆っていた。 今回は、ホール前のパイプ・オルゴールがなったときも、まだ明るさが十分残 っていた。当日券の窓口はブラインドが降りている。「ズーヘ・カルテ」の人 の列ができている。ちょっぴり誇らしい気持ちでホールに入っていく。  入場後、オレンジジュースで喉を潤し、自分の席に行く。少し疲れ気味だっ たので、自分の席で体を休めた。オケのメンバーと合唱団がステージに揃う。 開演の合図。P席に若干の空席はあるものの、ほぼ満席。  ソリスト陣が入場。続いて朝比奈先生の登場。いつもにも増して熱い拍手が 続く。やはりチクルスの最後ということもあるのだろう。  第一楽章。おもむろに棒が降りる。弦の刻みが始まる。何度聴いてもドキド キする一瞬である。例のごとく、非常に丁寧な音の刻み。5度の和音をしっか りと鳴らしていた。はっきりはわからなかったが、今回もディヴィジで弾かせ ていたように見えた。途中のクライマックスのところも、ティンパニーはきっ ちりと32分音符で刻み、トレモロに逃げるようなことはしない。全体的に、 非常に重たさのない演奏である。楽章の最後のほうで、一瞬、アンサンブルに 「ん?」という個所があったが、なんとか無事クリアした。素人目に見ても、 あの棒だけで演奏するというのはかなり辛いものがありそうだ。  第二楽章。ここも、トリオの弦楽合奏のところとかは、ついこってりと歌い たくなるところであるが、そういうベタベタした感じがなく、前へ前へと進ん でいく。繰り返しの部分も、わざとらしく表情を変えたりしない。  第三楽章。ここまでくると、もう自分で演奏体験があるので、あっという間 である。従来どおり、この楽章もあまりもたもたとせず、むしろあっさりとし た感じ。速い3拍子を感じるようなテンポで進んでいく。例のホルンのソロの 部分も、その部分だけではなく、前後にわたってかなりホルンに強く吹かせて おり、ホルン協奏曲の雰囲気すら。  途中のファンファーレの2回目。まるでオルガンのような響き。トランペッ トの「パパパーン」を受け、セカンドヴァイオリンが追いかける。だんだんと 落ち着いていって、再び従来の速い三拍子に戻っていく。そして最後へ。  第四楽章。レシタティーヴォから歓喜の歌の主題にかけては、昨年の大フィ ル、新日本フィルのときと同様、あっさりと通り抜けていく。よく歓喜の歌の 主題が出てくる前に、意図的に長〜いゲネラルパウゼをとる指揮者もいたが、 こういうあっさりタイプの演奏を聴くと、そういうのがわざとらしく感じられ てくる。  合唱が出てきたところで、「おや?」と思った。今までに聴いた、どの「第 九」とも違う音色がする。従来の第九の合唱は、どれも(程度の差こそあれ) ぽってり系であった。しかし、栗友会のは、非常に輪郭がはっきりしており、 やや鋭角的な響きである。そのうえ、パート間のバランスも良いので、合唱が とても奇麗なのである。第九というと、多少疵はあっても、ワーッとなってし まえば全てよし、みたいな感じが支配しているが、栗友会のは、そういうタイ プの第九とは一線を画している。  そして、指揮に対するレスポンスがすごくよいのが、客席で聴いていてもよ くわかる。エンジンで言えば、4バルブのツインカムといったところか。アク セルをポンと踏むと、軽くレッドゾーンに届くという感じ。  「Gott! 」のところのティンパニーはあまりディミヌエンドしなかった。そ してほとんど間をおかずに、「行進曲風に」に突入。ここのテノール独唱と絡 む男声合唱は、もう少し厚みがあったほうがよいと思ったが、これは好みの問 題だろう。その後はテンポをぐっと押えて細かな刻みとの絡み合い。そして、 合唱のクライマックスでは、実に美しいコラールを聴かせてくれた。  フーガの部分は、またもや合唱団の実力を感じさせた。各パートが実によく まとまっていて、「合唱の美しさ」を聴かせてくれた。「第九ってのは、ただ、 うわ〜っと騒いで新年を迎えるための音楽じゃないんだよ。」ということを、 改めて教えてくれたような気がする。  朝比奈先生が栗友会の合唱を聴いて、どう感じたかはわからないけれど、切 れ味鋭い音色は、第九を、まったく別の側面からアナリーゼしてくれたような 気がした。  最後のプレスティッシモにはいるところは、コンサートマスターがかなり大 きく合図を出していた。そして合唱の「funken」が消えたところから、さらに 一気呵成に進んでいき、ズバン!と断ち切るようにフィナーレ。  おわった。長かったような短かったような半年。いやチケットをおさえたと きから数えれば1年であった。別にベートーヴェンを聴かなくたって、音楽に ついて語ることに何らはばかられることはないけれど、全部を聴きとおすこと で、自分の心の中に「何か」の歩留まりが残ったような気がする。  朝比奈先生には、これからもお元気で、1回でも多く指揮台に立ってほしい。 まずは、来月の大フィルの「ブル5」、そして秋の都響の「ブル8」での好演 を心から期待している。 Λ  Λ (^Θ^) PC-VAN: ESJ58203   ブー ======================= 1998-06-04 (Thu) 22:45:44 ==================== #8755/8784 大ホール ★タイトル (ESJ58203) 98/ 6/ 6 23:41 ( 37) Re#8745>朝比奈&NJP「第9」を考える  ブー ★内容 ・オケについて  第一楽章の終わりのほうのズレは、一瞬「ドキッ!」としました。おかげで、 若干疲れ気味だったのが吹っ飛んで、最後まで緊張してききましたが(^_^;)。  第9で、しかもチクルスの最後ということで「熱演系」になるかと思ってい たのですが、むしろ、あっさりした、ある意味では「素っ気無い」演奏でした。  ただ、これをもって「消極的な演奏」とネガティブな評価をしていいのかと なると、はたしてそうか。もしかすると、装飾を徹底的に削ぎ落とした到達点 ではなかったのか。新日本フィルは、指揮者の要求に応えたのではないか。  終演後、「何も足さない。何も引かない第九だった。」という言葉が頭に浮 かんだのですが...。 ・合唱について  今回の合唱の面白さは、「第9だけを歌う合唱団」「第9に思い入れのあり すぎる合唱団」と両極のところにいる合唱団が「第9」を歌ったからこそ生ま れたものであったと思います。  栗友会は、特別の曲として「第9」にアプローチしなかったのではないか。 武満や三善晃をうたうかのごとく、第9に向かったのではないか。だからこそ、 ああいう透明感のある「第9」になったのではなかろうか。  オケの乱れには目をつぶって、なんとしてもCD化してほしい。 Λ  Λ (^Θ^) PC-VAN: ESJ58203   ブー ======================= 1998-06-05 (Fri) 23:27:50 ====================
<BIGLOBE PC-VAN SIG『クラシックコンサートホール』より> #8746/8784 大ホール ★タイトル (MWM06676) 98/ 6/ 5 23:52 ( 59) 演奏会>朝比奈、NJP、栗友会の第9 モー ★内容 3年ぐらい前に、グルンベキアン合唱団の合唱で聴いた「合唱」が今なお この曲の合唱部分の最高の演奏です。少人数でありながら、古楽器オーケストラ の強奏と拮抗できる強さを持ち、なにより歌うヨロコビが伝わってきて それまでの退屈な演奏を覆してくれました。 朝比奈ファンの方には悪いけど、今回の演奏会の興味の対象の80%ぐらいは 栗友会合唱団による「合唱」を聴くことでした。 栗友会は、中核団体のOMPほどの鋭さはないものの、昨年4月の石丸寛指揮の ドイツレクイエムでの素晴らしい歌があれば、第9ではどんなにかという 期待が湧上がってきます。 第1楽章は予想以上に素晴らしく、昨年のトリフォニーホールでの演奏よりも はるかにしまっており、一筆書きで雄渾な文字を白紙に記すようなダイナミックさと コンマスの豊島氏の奮闘の成果かヴァイオリン群の音色がきりっとしており 目が覚めるような演奏となっていました。 しかし、第1楽章の終わりで、大きな失敗があり、その後はオーケストラも 用心深くなってしまい、第2楽章、第3楽章とおっかなびっくりの演奏スタイルに 変貌。 もうこうなってしまったら、当初の目的どおり「合唱」に神経を集中するしか ありません。第4楽章の途中、オーボエが変テコな音を出していましたが、 もうどうでも良いという感じ。 Freude! Freude! 予想以上に柔らかい男声がサントリーホールを包み込みます。 Deine Zauber binden wieder しかし、ホールのせいか子音の鋭さが伝わってきません。若干もやっとした 感じ。私の席が最後列に近かったせいもあるけれど・・・ Ja,wer auch nur eine Seele とは言え、これだけの人数を散開させているわけだからこの程度の広がりは やむを得ないか。しかし、明らかに指揮を見てない人もいるなぁ。 Kusse gab sie uns und Reben さては指揮が怪しいのか。 Seid umsclungen,Millionen! ここからが見もの。 Diesen Kuss der ganzen Welt! ここから女声に移るところがいいんだこれが。 muss ein lieber Water wohnen ムスもいいんだこれが。 と、だんだん「いいんだこれが」状態になってきてコーダに突入。 市民コーラスや、音大の単位取り合唱団とは比べものにならない 統制感のある合唱がふっと終わるや否や、観客側から大歓声が。 今回の演奏会は栗友会の実力を十全に示したものとは思えませんでしたが、 オーケストラの団員の合唱に対する大きな拍手が、その価値を十分表していた と思います。
#8742/8784 大ホール <BIGLOBE PC-VAN SIG『クラシックコンサートホール』より> ★タイトル (NKE44364) 98/ 6/ 4 10:23 ( 38) リハ見学>朝比奈+新日フィル+栗友会合唱団の第九  からから! ★内容  6/4に本番の朝比奈のベートーヴェンチクルスの第九の前日リハを、出演しな い栗友会合唱団のメンバーと一緒に聴いてきました。  朝比奈さんの練習は、各楽章の入りと終わりの所をちょっと指示した程度で、 あとは本番同様に流しただけですが、第一楽章の入りから 「これは日頃聴いている第九と違う」 「栗友会合唱団とテイストが合っているかも知れない」と思いました。  なんといいますか、朝比奈さんの指揮、テンポ感には実に推進力があり、ぐい ぐい、じゃんじゃん音楽が走っていき、明るい爽快感にあふれています。  練習だというのに朝比奈さんは椅子も使わず実にてきぱきとした動きだし、 なんだか若手指揮者以上に若々しい曲を作っていくと感じました。  主な指示は「インテンポ!」で、とにかく曲の雰囲気で成り行き上のrit.とい うのは良くあることですが、そういう部分で音楽が停滞しないように、とにかく 前に前にと進んでいく姿勢が感じられました。  空っぽのホールでの練習ですから音響的にはもわっと響いてしまっていたわけ で詳細は語れませんが、オケも暗譜するほど弾いている曲のリハとは思えない 張り切りぶりで、「朝比奈の威光」を感じてしまいました(^^;  とにかく大変ハギレの良い音が出ています。  リハで気になった部分といえば、木管とくにオーボエの調子と、第四楽章の ソリストの一部のコンディションが完全ではないように感じたことで、これは 本番の出来に期待する部分でしょう。  金管、ホルンは合唱団の人も「う〜んいい音」と言っていました(^^)  ティンパニーも、切れよくスカッと抜ける音を出していたと思います。  合唱は年末に良く出てくる"○○音楽大学"などの演奏ではもれなく怪しい音が するテノールの高音部分とか、そのような定番の難所も上手くこなしていて、 前に前に進む朝比奈の推進力に良く答えた軽快な歌いっぷりでした。  若干発音が不明瞭にも感じましたが、空のホールであったことと、団員によれ ば朝比奈さんが子音の発音をあまりきつくしないようにと指示があったとのこと。  それも本番ホールでどのようにバランスするかが聴き所かも知れません。  ともあれ、朝比奈のリハを聴くという幸運な経験をさせていただき感謝してい ます。今日の本番を聞きに行く人はもれなく期待して行って下さい(^^) からから!
<BIGLOBE PC-VAN SIG『クラシックコンサートホール』より> #8199/8225 音楽理論・実演全科 ★タイトル (ETN19816) 98/ 6/11 12:36 ( 87) 【合唱】朝比奈第九に参加して ココ ★内容 究生さんが書くとおっしゃっていたので、しばらく様子を見ようかと 思っていたのですが、とりあえず書けてしまったので先に出させて いただきます。どうもすいませ〜ん。 思い起こせば、って勝手に回想モードになってしまって恐縮ですが、 私が初めて第九を歌ったのはちょうど10年前の6月でした。それから 何度か歌う機会がありましたが、いわゆる第九を歌う会的なものには 入っていませんでしたので、年末に第九を歌った経験は1冬しかありません。 ほかはみんな2月とか、4月とか、6月とか(そういえばから究生パーティも 6月でしたね…) 今回第九の合唱にお声がかかった栗友会合唱団は、まともなオケ伴合唱曲を 歌った経験が少ない合唱団です。だって、だいたいそういうお仕事は晋友会さんの ほうにいきますものね。昨年のドイツレクイエムはめずらしくまともでしたが、それ を のぞけば、すみだの5000人第九とヤマトタケルくらいで、まれにものすごい現代曲が くるくらい(今年の8月にも一つ大変なのが来ています) 私は一介のヒラ団員なので、今回の朝比奈さんの第九をなぜ栗友会がやることに なったのか、詳しい事情を知らないので、実はとても不思議に思いました。 (ひそかに「うちらに頼むなんて勇気あるなあ」とも思いました(^^;;) 経験は少ないですが、前述のすみだ5000人第九で毎年歌ってはいます。といっても 栗友会としての練習は行わず、何回か行われる公式練習に参加するだけ。 でも数年前の年末に佐渡裕さんの指揮で新日フィルと一緒に歌ったことがあり、 そのときは結構念入りに練習したので、今回はその経験が多少生きています。 そんなわけで、ブーさんがおっしゃったように、第九を特別視はしてませんでしたね、 確かに。なんだかんだで毎年歌っていて慣れているし、第九を歌うためだけに結成 された合唱団ではありませんし、年末でもないし。年末の第九には、多かれ少なかれ 「今年も終わりか」という感慨がついてきてしまいそう。 でも、慣れているといっても、いい加減な演奏につながってしまう慣れは禁物。 練習では楽譜をよく見て、つい歌いやすいように歌ってしまっているところや 発音が甘くなってしまったところは直すようにしました。発音練習もちゃんと やり直して、子音をはっきりいう練習とかしていたんですが、朝比奈さんの 練習では子音よりも、母音の発音がよくないところを多く注意された気がします。 栗友会は、どの合唱団も日本語の歌を主に歌っているので、母音が鋭くなりがち なんです。それが発声法にも自然に影響して、よくいえば鋭いクリアな硬い声、 悪くいえば柔らかみや深い響きのない浅い声になります。 このような外国語のまともな曲を歌う場合、いつも私が不安なのはその声で 歌うことが吉と出るか凶と出るかです。結局はお客さんの好み次第という 気もしますが、少なくともブーさんはよいほうに聴いてくださったようなので、 ちょっとほっとしました。 クリアな声と深い声と、両方使えるようになれば一番いいんですけど、なかなか そこまではうまくなれません。 (それができれば、OMPのバッハもバッハらしく聴こえるかも…) 朝比奈さんの練習は合唱合わせ、オケ合わせ、リハの3回でした。 見ていると、とにかく余計なことはせずぐんぐん進めたいのかな、と思いました。 1、2楽章はもう、ずんずん、という感じ。私は2楽章が好きなんですが、 シンプルで気持ちよく進んでいくなあと。 3楽章は練習でも本番でもいくぶんしっとりと振っていらっしゃいましたが、 そのしっとりはテンポには決して影響しないし。 4楽章もそうでした。でも間を取るところは取ってました。 多田羅さんはソロの出だしのところで、歌舞伎で見得を切るような感じで、 ちょっと間をおいてから入ったほうがかっこいいよとアドバイスを受けて、 笑いながらその通りにしていました。 正直いうと、ちょくちょく棒がわかりにくいときがあります。 しかし、モーさんに見つかった「指揮を見てない人」は、何なんだろう(^^; もしかしたら、事前にうちの音楽監督が「指揮を視界に入れて、お客さんに顔を 向けて歌え」と指示を出したので、指揮を見ていないように見えた人がいたのかも しれません。とにかくよそ見をするとけっこう危なかったと思います。 演奏する人間の特権は、指揮者の演奏中の表情をリアルタイムで見られることです。 お客さんだってP席に座れば見られますが、同じステージに立ってみるのとでは かなり違います。全楽章を通して、目の前で振っているお姿を拝見できるという 経験をした私は、終了後に一般参賀に押しかけている朝比奈信者の皆さんに ちょっと自慢してうらやましがられたい気がしたのでした(^^; 本番はやっぱり真剣なお顔でしたが、練習中は随所で「ここは好きだなあ」 というような、ちょっとうっとりした顔をしながら振っていらっしゃって、 なんかその表情を見るたびにこちらもうれしくなってにこにこしてました。 ここまで人気があるのは、音楽面だけではなくてお人柄のせいもあるような 気がします。まだまだご活躍していただきたいと思います。 (余談ですが、今年で3回目だったTOKYO CANTATにハンガリーからサボーさんという 合唱指揮者がいらっしゃったのですが、お茶目な方で「40回目にも呼んでください」 と予約をしてお帰りになりました。40年後は彼も90歳です(^^;) さて、指揮者には関係ない話も。 ステージの上で並んでみたら、なんとソプラノの豊田さんの隣になりました。 賛否両論あるようですが、私はわりと彼女の歌は好きで、木下牧子の歌曲集の CDはよく聴いています。ちょっと高音は苦手らしく、がんばって出していて 高いほうは母音だけで歌ったりしていました。 本番ではさすがにじろじろ見ることは出来なかったので定かではないのですが、 フィナーレではソリストも一緒に合唱を歌っていたみたいでしたね。                         ココ
【朝比奈先生のベートーベン第九】 林 瑞絵(団員)  遅くなりましたが(^^;)ゞ。  書く前に各方面からの感想を収集していたら、なんか混乱してきて、 そのまま訳あってnegative月間(笑)に突入してしまい、放置したままでした。  これでは有限不実行になってしまう〜と一応気にしていたところ、7/5に NHK教育で昨年12月にすみだトリフォニーでの演奏が放映されました。合唱は 晋友会さんと墨田区公募合唱団です。  これがまた何とも言えない演奏で。。。  一楽章から二楽章の前半にかけて、テンポが全然締まらないんですね。 確かに指揮はわかりにくい。私たちの時もそうでした。が、だったら ウィーンフィルみたいにコンマスに合わせちゃうとか(^^;)やりようはあっても いいんじゃないだろうか。二楽章の繰り返しあたりからようやく乗ってきた感じ でしたが、三楽章も可もなく不可もなく、四楽章で歌が入ってようやく落ち着いて 聴けるようになりました。  Niftyでは6月のチクルスもNJPに対する批評が厳しかったのですが、 朝比奈さんとが初めてでなかったのならその反省をもっと生かしても いいんじゃないか。とは思ってしまいましたねぇ。  さて、6月の話です。  ココさんが既に書いてくださいましたが、歌詞の母音−特にaなど広い−をよく 響かせるように、ということを練習では強調され、そちらに気を取られた結果、 子音が甘かったのではという評判になったようです。両立はできてもいいはずだ。 栗友会の力不足でしょう。  Niftyではオケにやる気が感じられなかったという感想がありましたが、私たちは むしろ逆で、練習中からこんなに真剣なNJPは初めて見たぞ(笑)という感じでした。 必死にならないと指揮について行けないという雰囲気ではありましたが確かに。  なんつうか、明治男の気骨に、当世の若い者が束になってもかなうものかよ、 という演奏会でしたな(^^;)。"粋"な指揮者でありました。  私は不勉強者なので朝比奈先生の輝かしい足跡も殆ど知らずに臨んだので、逆に 変な気負いもなかったのですが、こういう第九もあるんだという勉強をさせて いただきました。                              林 瑞絵 P.S.数年前に佐渡裕さんとNJPで第九をやったときは、オケに対する不満なんて   殆ど持たなかったのは、私がまだあまり曲を知らなかったせいか、指揮が   わかりやすければ上手いオケなのか、佐渡さんしか見ていなかったので   気がつかなかったのか(笑)。

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編集:唐澤